読書感想文~敗者のゲーム
こんにちは、ともです。
「敗者のゲーム チャールズ・エリス 著」です。
投資界隈では非常に有名な名著なので、読んだことのある方も多いと思います。今回図書館で借りることが出来たので、読んでみました!
一言でまとめると、インデックス投資の優位性を記した本です。「敗者のゲーム」は、アクティブ運用を初心者同士のテニスの試合に例えて言った言葉です。プロの試合は多くのポイントがナイスプレーによる得点ですが、初心者同士の試合ではほとんどのポイントがミスによる失点であるという事を例えています。つまり、アクティブ運用は自滅が原因で失敗する事が多いという事です笑
・資産運用でまず押さえるべきこと
第1章では、ひたすら「インデックス投資」の優位性について語られていました。
株式市場で取引をする人のほとんどがアマチュアであった50年前とは違い、現在の市場はほとんどが機関投資家やプロの方が動かしているそうです。その結果、僕達個人投資家が普通に取引をしても全く勝ち目のない市場になってしまったとの事です。それだけでなく、市場平均に勝とうとするアクティブ運用自身が「市場平均」になってしまっており、アクティブ運用にかかるコスト分、確実にインデックス運用に負けてしまうという事態になっているようです。
アクティブ運用が勝てていないという事実は知っていましたが、論理的な根拠を初めて知ることができ、インデックス投資が適切であるということを納得するひとつの要因となりました。
僕たちがアクティブ運用に手を出しても自滅してしまう事が目に見えていますので、今後も堅実な投資を続けましょう。
・運用を少し論理的に見てみよう
本章においても、インデックス投資の有用性を論じている点は変わりありません。インデックス投資が有用であるという論理的な根拠に焦点を当てています。本章は金融の専門用語なども使われて詳細に書かれており、正直な話深いところまでは理解できませんでした。あくまでも素人である僕なりの感想として、記載したいと思います。
そもそも投資の収益というのは、「リスクを引き受けたことに対する報酬」であるとされています。株式投資において、その収益を主に4つに分類して考察したいと思います。
①無リスク資産の収益率
②株式市場リスクに対する追加収益率
③市場リスク以外の理由で特殊な動きをするセクターや株式への投資による追加収益率
④投資家自身の行動に伴うリスクによる追加収益率
このうち、①は論じるまでもなく、国の金利やインフレの動きを見守るしかないでしょう。
②は市場リスクを適切に引き受ける(分散投資をする)ことで適切にコントロールすることが可能です。
③は、「環境セクターがアツい!」などでしょうか。こういった情報に振り回されすぎるのは考えものです。
上記3つは、適切にリスクを引き受けて利益を得ることが良いと論理的に理解しやすいです。
僕達一般投資家において特に問題になるのは④でしょう。
投資や資産形成において、人間は時に感情に左右されたり非合理的な行動をしてしまうというのは、近年の行動経済学において示されています。具体的には、
・過去の自分の行動を正当化する根拠を積極的に探す
・尊敬する個人の意見を信じ込む
・既知のものよりも新しい情報に重きを置いてしまう
・長期投資のつもりが狼狽売してしまう
などでしょうか。
このような、本来引き受ける必要のないリスク(しかも多くの場合損失の方向へ傾くと思われる)を多く負ってしまうことが、「敗者のゲーム」である投資において敗北に繋がる「ミスによる失点」をしてしまう原因となります。そのような事のないよう、避けるべきリスクをきちんと理解することが大切です。
・頑張りすぎる
・リスクを回避しすぎる(現金はインフレに負けます)
・忍耐力不足(短期間に成果は上がりません)
・投資信託を頻繁に買い換える
・感情的になる
などは全て失敗に繋がる行為であり、避けるべきリスクです。
投資初心者である僕にはためになる教訓でした。
・人生設計と投資
本章は、より具体的な投資対象の選び方・選ぶ際の考え方について書かれていました。
わかりやすい例として、
A)ずっと高価で上がり続けている株
B)ずっと安価で下がり続けている株
の、どちらを購入するか?というものがありました。
たしかに直感的にAを選びたくなりますが、昨今の常識通り本書で正解とされていたのもBでした。とくにインデックス投資をする場合、Bを選ぶのが効率的であるという事実をしっかりと認識していきたいですね。
その他にも、個人投資家が抑えるべき十戒がありましたので、いくつかあげたいと思います。
・貯蓄し、投資する
・相場の先行きに賭けてはならない
・自分の住宅を資産と考えてはならない
・直感で投資してはならない
素人に有用なのはこの当たりでしょうか。日頃から言われていることかと思いますので、改めて気を引き締めましょう。
今回は以上です。本の内容全てを記載して著作権に触れるなどあっては困るので、今回は主に1章と2章の内容についてまとめています。初心者なりの感想ではありましたが、少しでも参考になれば幸いです。
難しい本ですが、まだ読んでいない投資家の方はぜひ、一読の価値はあると思います!