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“マネージャー向きじゃない” と思っていた私が、今でも続けている理由

「マネージャーを続ける理由は何か?」
先日、EMoが主催する「マネージャー・未来サミット」で、このテーマについて登壇させていただきました。このセッションでは、自分自身の経験を振り返る中で、「マネージャーにまつわる誤解」について深く考える機会にもなりました。

トークセッションを通じて改めて感じたのは、「マネージャーに向いている / 向いていない」という議論に意味はないのではということです。マネジメント力は、先天的な素質に捉えられがちなのですが、実は後天的に学べるスキルだと思います。そしてそのスキルは、チームやメンバー、事業の状況によって形を変えていく必要があります。

「マネージャーに向いている / 向いていない論」の誤解があることで、マネージャーになりたくない方や、マネージャーとして“引け目”を感じている方もいるように感じます。過去の自分もその1人だったので、セッションでは「そんなことないよ!」というのが1番伝えたかった点でした📣

“マネージャーになりたくなかった” プレイヤー

一緒に登壇したsoeasy・伊藤さんと私に共通していたのは、「突然マネージャーになった経験」でした。私たち2人ともプレイヤーとして活躍していましたが、「マネジメントの準備」はできていなかったタイプ。むしろ「やりたくない」と思っていた側でした。

実際にマネジメントにチャレンジしたことで、自分の中の誤解が解け、「マネージャー」という役割に対する見方が大きく変わりました。

■私と伊藤さん:キャリアの共通点
・ファーストキャリアは営業職
・プレイヤーとして活躍する一方、マネージャーになりたくなかった
・突然マネージャーになる
・今は経営レイヤー。現場のプレイヤー業務もやっている

ハートフルで人間力が高い人がマネージャーに向いているという誤解

当時「マネージャーになりたくなかった」理由の一つが、自分はマネージャーに向いていないと思っていたから。私の場合、新卒で入った会社の4年目くらいで初めてマネージャーという役割に就いたのですが「自分がマネジメントやったら、そのチームのメンバーの人がかわいそうだ」と思っていました。なので、「マネジメントって興味がある?」と上司に聞かれても「まあ、別にマストではないです」みたいな答えをしていた覚えがあります笑

なぜそんな考え方をしていたのか?をさらに深ぼると、当時の私はこんな誤解をしていました。

🤲 ハートフルで優しい人がいい上司(≒マネージャー)である
その反面自分は・・・
・新卒の後輩育成が苦手で、面倒見がいいわけではない
・「他人に興味ないよね」とよく言われる(し、自分も結構そうだと思う)
・人間関係がウェットではなくドライなタイプ

🍎 人生経験が豊富な人(要は社会人歴が長い人)がマネジメントがうまい
その反面自分は・・・
・新卒4年目
・組織には年上のほうが多い環境

毎年、タレント・芸能人による「理想の上司ランキング」があるじゃないですか。まさにこういう人間力や包容力が高い人がいい上司だと思っていたので、「自分は全然違う」「向いていない!」と思い込んでいたんですよね。

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2023/pdf/20240221_01.pdf

「私は向いていないのではないか」と思っていましたが、実際にマネジメントをやってみると“面白かった”。個人のアウトプットを高めることとチームのアウトプットを高めることは別次元に感じました。「失敗したな」「みんなに悪かったな」と思うことも多々ありますが、自分自身としては面白く取り組んでいます。

メガベンチャーからスタートアップの2社でマネージャーをやってきて思うのは、「マネジメントの良し悪し」と包容力や人間力のような「素質や性格」は直接的な因果関係があるわけではないということ。「理想の上司ランキング」のように、ハートフルで優しい人が「いいマネージャー」とされがちですが、実際にはそう単純ではありません。むしろ優しいがゆえに、組織や事業にとってベストな判断ができないケースも多いです。

未だに「自分はマネージャーに向いている」とは思っていません。そもそも「マネージャーが向いている人」「向いていない人」という切り分けは存在しない。マネジメントは状況やメンバーによって変わる「多面的なスキル」であり、その人の性格や素質によって良し悪しが決まるものではないと捉えています。

※そもそも「いい上司」と「いいマネージャー」は違うのかもしれないですね。前者は大きな組織における「管理職」や「リーダー」のようなニュアンスで使われるように思います

マネージャーに1番求められるものは変化

ではいいマネージャーとはどういう人なのか。

私は、何よりも先に自分自身を変えられる人かなと思っています。変化が速く、振り幅が広いほど、マネージャー力が高い💪

あるチームのマネージャーになったとして、メンバーごとに必要なマネジメントは違うし、チームや事業の状況は常に変わり続けます。マネージャーとは個人のアウトプットではなく、担当領域のアウトプットで成果を出す役割ですから、メンバーやチーム、事業状況に応じてアウトプットを出すことが必要です。

多面的なマネジメントスキルのなかから、状況に応じて発揮するところを変えていけるのが、私にとって理想のマネジメントです。
※もちろん人によって得意・不得意はある

イベントのセッションではご紹介したのですが、マネジメントが難しいときも上手くいっているときも、どちらもが波のように訪れます。どんなときも外部要因に頼らず、自分自身をまず変えて最適解に向かって進むしかないなぁと、お話しながら考えていました。まあマネジメントですから、“Manage:なんとかしていく” のが仕事というか。

今の自分に必要な変化

現在ワンメディアにいる私は、30名規模の組織(おおよそ単一事業)で取締役COOという役割にいます。4名のミドルマネージャーを通した15名のマネジメントと、2つの自分の直属チームのなかに4名のメンバーのマネジメントをしています。

過去には、小規模チームマネジメント、異業種マネジメント、年上マネジメント、新卒育成を経験してきました。

そんな私が今、事業と組織の成長のために変わりたいなと思っているのはこんなことです。

「マネージャーをマネジメントする」ことへの思考転換
メンバー1人ひとりではなく、間のマネージャーを支援するほうを優先したほうが組織全体にとっては良いのではないか

■新卒・第二新卒メンバーから次世代リーダーを生む
事業と組織はニワトリタマゴのように思いがちですが、私は事業成長 → 組織成長の順番だと思ってます。人が増えたら事業が伸びるわけではない。事業が拡がり組織に余白ができたときに次のリーダーが生まれると思っているので、とにかく事業は伸ばすことにも集中したい。

■プレイヤー人格とマネージャー人格の切り替え
とはいえ、まだ業務の半分くらいはプレイヤー領域が残っているため、判断が現場目線になりすぎていることが多い(その分一次情報は把握しやすいんですが…)

おわりに

以上が「マネージャー・未来サミット」に登壇するなかで思ったことです。
マネージャーに向いている/向いていない論は意味がない。マネジメントは後天的に学べるスキルであり、常に「変化し続ける力」が求められる役割です。

私自身もまだ模索中です。同じような変化が必要だと感じている方がいらっしゃれば、ぜひお話しましょう!

改めて、マネジメントは先天的なスキルではなく、後天的に習得できるものだなと思います。まさに、ここの誤解を解消すべく体系化して学べるのが、今回のイベントを主催しているEVeMさんの「Emo」ですね。早めに受けてよかった。推しサービスです🧡

控室にて。100名も参加者の方がいてちょっと緊張した

登壇の機会をいただいたEVeMの皆さま、品原さん、soeasy伊藤さん、ありがとうございました。参加してくださった方もありがとうございます!

おまけ

↓ マネージャー歴2年目くらいの2021年に、EVeM1期生として受けてました。そのときの振り返りのnoteです

↓ EVeMのときに同じクラスだったマネージャー仲間は、今は友だち。3人で話しているインタビューです。


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