いちいち癇に障るんですけどっ!~私のアウトロー感想文~『本物の男の見分け方を読み取る』の巻
どーもどーも、闇属性作家の紫藤咲です。前回、『ネコばあさんの家に魔女が来た』という赤坂パトリシアさんの本をご紹介しましたところ、予想以上に読んでいただけたということで、今回はなんと! 第二弾をお送りすることにいたしました!
で、今回の作品は『いちいち癇に障るんですけどっ!』です。この作品の著者である如月芳美さんと私、Twitterにて仲良く交流させていただいております。人間的にも好きなんですが、うちのもふもふをとてもかわいがって(ネット上ですが)くださっている方でもあります。
webでもたくさん書かれているのですが、今回は時間ができたこともあり、気になっていた本を購入した次第です。そして、はい。やっちまいました(笑)
なにがやっちまったのかについては、いつもの通り、闇属性ならではのアウトローな読書感想文にて解説していきたいと思います。なお、前回同様「え? こんなお話だったっけ?」「え? ちょっとそれ本当!?」と思われたとしても、一個人の勝手なダーク感想なので、それはそれ……ということでとらえていただけるとありがたいと思います。
しかしながら、これも前回同様、超絶おススメ本であるという点は変わりません。私の感想を聞いてみて、興味を持っていただければさいわいです。
なお、今回は感想の最後に著者である如月芳美さんから読者様へのメッセージもいただきました。楽しみに最後までお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします!
では、さっそくこの本の魅力をひも解いていきましょう!
★とにかく笑ってしまう
みなさんは本を読んで笑ってしまった経験はありますか? クスッとか、ふふっとか、思わず笑ってしまうことがまったくないという方のほうが少ないのではないでしょうか。かくいう私もですね、笑う人なんですよ。しかも、我慢せずに笑うタイプでして、家でおもしろい漫画、例えば『百姓貴族』なんかを読んでいたとしましょう。ゲラゲラ笑います。ときには泣き笑い状態で読んでいます。で、この本。思いっきり、そういうことさせるんですよね(笑)
セリフの掛け合いがおもしろくて、おもしろくて、噴いちゃってました。そして笑えて先を読めないという作者の巧妙な罠にまんまとハマってしまったわけですよ。するとです。人間って不思議です。またこういう笑いを求めたくなるんですよねえ。そうすると、どんどんページをめくっちゃう。とまらなくなる。こういうことをこの本の作者さんは仕掛けてくるわけです。でね、主人公の山田花子さん(途中まで下の名前わからないまま話が進行するのよ、これ)とそのお相手となるルックスも頭もなにもかも完璧でクールな神崎秀一さん(こちらも途中まで下の名前がわからないというトリックを仕掛けられているので、知りたくなる罠にはまります)のセリフの途中にある主人公のセルフツッコミが秀逸!
実はですね、この本の主人公の女の子。すごいぽっちゃり女子なんですよ! 本人は自分のことを『カバ』なんて呼んじゃうくらいです。じゃあ、どれくらい太いのか。
身長156cm、体重86kg。
ええっと。花ちゃん、私と同じ身長なんですけどね。私は彼女の体重のちょうど半分なので、私が二倍なんですよ! といってもわかりにくい例えですね。ではお米ではいかがでしょう。10kgのお米が8袋分と5kgが1袋分に砂糖(スーパーで売っている上白糖1kg)が1つになりますね。って、重ッ!
しかーし、こんな重たい女の子をヒーローである神崎さんはひょいっとお姫様抱っこしちゃうんですよ! おいっ、腰どうにかなるぜ、あんたっ! と思わずツッコミそうになったのはここだけの話です。いやあ、腰を痛めることもなく、そのあとも彼女を抱きかかえちゃったり、支えちゃったり、持ち上げちゃったりするんですからねえ。すごい男だわと嘆息しちゃいましたよ。
そう、この物語。『ぽっちゃり女子とイケメンの恋愛もの』なんですよー! しかも両片思い! じれじれ展開! 早く気づけよ、ばかやろー! と最後までやきもきさせられる物語なわけですよ!
おおっ、面白そう! 恋バナ大好きー! な読者様、朗報です。この本、実は『本物の男の見分け方』について書かれているんです。
では、本物の男の見分け方とはどういうことなのか――それを見ていきましょう!
★本物の男の見分け方
イケメン、高身長、頭がいい、クール、仕事できる、家事完璧、車の運転プロ級、優しさと厳しさを持っている……と、この本の中に登場するヒーローはもう非の打ち所がないような完璧な男です。強いてダメなところをあげるとすれば、コミュニケーションが上手じゃない、女性に対して慎重、Gが苦手でしょうね。ですから、完璧にもかかわらず、彼女がいないわけです。
でもねえ、知れば知るほど、すごいいい男です。つき合いたくなります。結婚したくなります。一家に一台欲しくなります。そのうえ、ちょっとイジワルで曲者でってもう、並みの女なら1週間も一緒にいたら陥落必至です。
そりゃあ、完璧な男なら誰だってと思うかもしれない。だけどね、違うんです。この彼のどこが一番すごいかってね。純粋でまっすぐな心なんです。
人を外見で判断しないだけでなく、相手の本質をきっちり見抜くんです。実際、本の中でも主人公の花ちゃんはしっかり神崎さんにいろいろ見抜かれてしまっていました。その見抜き方はもう見事でしたよ。
だってね、考えてみてごらんなさいよ? 完璧な男なんです。コミュニケーションのひどさを差し引いてもおつりが山盛りくるような男なんですよ? そんな男だったら世の女性なんて選び放題じゃないですか? モデルみたいな美女だったり、有名大学を出た才女だったり、お金持ちのお嬢様だったり、とにかくどんな女性でも選べちゃうわけだし、選んでほしい女性は山のようにいるんです。
だけど、選ばない! ここがねえ、しびれるんです。ああ、この男は外見なんかじゃなく、内面をしっかり見て、大切にできる女性を選んでいるんだなあって。
とはいえね、単純接触効果(接触回数を増やすことによって、相手が好意を抱きやすくなる)の影響も無きにしも非ずだったことでしょう。人は会う回数が増えるほど愛着を抱きやすくなります。互いの存在は認知していたものの、顔を知らなかった男女が共同生活を送るようになれば、恋に発展するのも自然の流れだったのかもしれませんね。あなたも好きな人ができたら「ねえ、私と同居しない?」と言ってみてはいかがでしょうか? 変人と思われる可能性が高いかもしれませんが、案外有効な手段になりうるかもですよ?
単純接触効果の影響ならば本物じゃないのか――いやいや、本物です。本物の男です。恋する女性たちにはぜひ、彼のような男を選んでもらいたい。
そうなると、どこで見分ければいいんでしょうか? この答えは単純です。『簡単に手を出さない男』であること!
ただの奥手じゃないの? と言いたくなる方もいるかもしれません。ですが、これは本当のことなのです。心から好きな人には男は簡単に手を出せません。逆に言うと『本物の男を捕まえたかったら、簡単にセッ〇スするな!』ということです。じらして、じらして、じらして、じらして。時間とお金をかけさせる! これが本物の男であるかを見極められる方法であり、本物の男を捕まえる方法でもあるのです。
実際に私は過去、簡単に男女の関係になったことで、痛い目をたくさん見てきましたよ。まあ、ひどかった(笑) 二股、三股なんてすっ飛ばして片手レベルのときありました(笑) しかも本気度ランキングは下位だったの(笑) 他にも『ハッパやる?』と言ってくる男だったり、裸でカラオケして頭にイチモツのっけてくる男など、様々な奇行種とも出会いました。まあ、長続きすることなく別れましたけど(笑)
なので、余計にしびれました。数々、男にだまされてきましたから。だましているつもりで、手のひらで踊らされましたからね。こういうことにならないために、みなさんにはぜひとも勉強していただきたいわけです。
そうは言っても、もう恋する年じゃない! とおっしゃる方。これから先の未来ある若者にぜひ伝えてください。本当に大切にしてくれる相手にこそ、身と心はゆだねるものだよと――安心できる男が一番だなあ。
いやあ、にやにやして読める恋愛ものだと思っていたのに、すっごい奥深いよ、この作品! でした(笑)
★最後に著者の如月芳美さんの思いをみなさまへ
『このお話で伝えたかったのは『誰でも誰かのナンバーワンになれる』ということです。
成績が悪くても、ブスでも、デブでも、空気読めなくても、みんな必ず誰かのナンバーワンになれる、自分が行動を起こすことで必ずなれる!って。
「どうせバカだから」「どうせデブだから」「どうせブスだから」って言ってる人は「どうせ」と言って逃げてるだけ。あなたを見てる人は必ずいるよ!っていうメッセージだったんです。
それが伝わったら最高だけど、もう笑ってくれればそれで十分! 本を購入してくださった方にはもう感謝しかないです!』
おおっ! 如月さん! それはもう本当にダイレクトに伝わりましたよ! だからこそ、私は泣いちゃったんですけどね(笑)
【最後にアウトじゃない感想を】
ぽっちゃり女子とイメケンのラブコメディなんですが、まさか小説で声出して笑うとか想像してなかったです(笑)セリフの掛け合い面白すぎて、ふたりのすれ違うやりとりにニヤニヤしっぱなし。 神崎さんの花ちゃんへの思いが募れば募るほど、ぜんぜん届かないのがもうジリジリしましたよ! 最後の最後は泣きました。世話好きな近所のおばちゃんの心境(笑) とってもステキなシンデレラストーリー! みんなきっと恋がしたくなるよ!
↑ ↑ ↑
購入はこちらでも!(Amazon)
みなさんとこの本についてお話ができる日が来ますことを心よりお待ちしておりますm(__)m