ショート✕2(その11) 警備員詰所
冬になるとミケは詰所で警備を行う。詰所には風よけが整備されるほか、厳冬期手当としてカイロが支給される。毛布の下にいれるので、床暖房みたいな感じだ。
ニャルソック警備保障はブラック企業ではないので、従業ネコに対して福利厚生が行き届いている。従業ネコの定着率は非常に良い。これまでに逃げ出したネコはいない。
この日も太陽の光が降り注いでいるが、風が強く体感温度は非常に低い。そんな時ミケは詰所にこもって一日を過ごすことも有る。こたつはないが、カイロがあるから詰所の中で丸くなる。だからと言って、勤務に手抜かりはない。
ミケの目はごまかせない。大きな目を見開いて行うチェックは入国管理よりも厳しい。ヌシはこれから外出だ。玄関のドアを鍵をかけて、ミケに外出することを伝える。それまでミケはヌシの方向を見るが、警備がセットされるとミケは途端にセンサーとして働くようになる。警備員としてミケは非常に優秀だ。
何かあったらニャーと知らせてくれるに違いない。それでは留守番を頼むよ。
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