読書感想 ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則
「ビジョナリーカンパニー」は素晴らしい本だと思います。もちろん世界的に評価されている名著だし、僕の経営する不動産会社に、というかその社長である僕に、多大な影響を与え、会社の方向性をグイッと新しい方向性にもっていくきっかけ、そして道しるべになりました。
「ビジョナリーカンパニー」は、「何世代にも渡って突出した業績を維持している企業」を扱い、そしてその続編となる本書は、「ビジョナリーカンパニーになる前、突出した成功企業になった企業」を扱っています。
「普通の企業がいかに偉大な企業になるのか」というのが本書のテーマ。
1も2も、本当に素晴らしい本です。非常に有能で、しかも誠実で、とても合理的な著者とチームが、何年もかけて、明確な目的意識を持ち、ものすごい労力をかけて完成した本。Audibleで読み放題に入っているような凡庸というにはあまりに下らない無数のビジネス書、を何十冊読むよりも、本書のような本当に素晴らしい本を読んだ方が、何倍も何十倍も、意味があることに間違いはありません。
本書も内容にも、ロジックにも、おおむね納得できたし、いろいろと考えさせられました。
とはいえ、この2冊はあくまでも「結果から選別した企業」を対象にした調査であり、調査の統計的な有効性はおそらく十分に有意的ではあるものの、「このようにしたら必ず成功する」ということではない。また、「このようにしたらずっと偉大な企業でいられる」というわけでもない、ということは言えるでしょう。
実際「ビジョナリーカンパニー1,2」で取り上げられた中で、少なくない割合の企業が、その後勢いを失い、「偉大な企業」ではなくなっている。
しかしそれらの企業を対象にした続編、「ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階」をまた、完成させてしまうのが、筆者とチームの、能力と誠意、をまさに表しているのではないのかな、と思います。
もちろんこれも近いうちに読もうと思っています。
僕の会社は「ビジョナリーカンパニー」は目指していません。僕が引退したら会社もおしまい、と思っています。また、「特別な会社」を作っていこうとは思っていますが、必ずしも「偉大な企業」を目指しているわけでもない。
でも、この2冊はそんなこととは関係なく読む価値があるし、本当にいろいろな考察の出発点になりました。とても良い本に出合ったと思います。
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