#069. K・O・D?
結局(K)お前は(O)どうしたいん(D)?
いつも、自分自身に問いかける。
新卒で入社した会社は、1年ほどでリタイアしました。
仕事内容は営業・販売。イメージしてた業務内容ではなかったことと、体育会系な社風にやられ、十二指腸に穴があきました(高2以来2度目)。
いま考えれば、自分が甘ちゃんだっただけなのですが、結局ノルマを一度もクリアできないまま終戦しました。
その後、3000文字で4~5記事は書けるぐらい紆余曲折しました。最初の就職に失敗して、心が折れてたんですね。
極寒の冷凍庫や排ガス倉庫での軽作業、炎天下でのエアコン室外機修理などなど…あまり自分の「意思」や「考え」を問われることがない仕事を中心に食いつないでいました。
そして、さらなる紆余曲折を経て(笑)なんとか某企業に潜り込むことに成功したのです。
業務内容は「広告制作業」。
憧れの仕事にようやく就くことができた!と意気揚々と働きましたが、勝手のわからない現場に右往左往する毎日でした。
それでも、自分が書いたコピーが雑誌に載ってる!ということがただただ嬉しく、空が白む頃にタクシーから眺めた高層ビル群は、何か特別な景色にみえたものです。
その後、メンバーをまとめる立場に抜擢されました(入社半年で!)。年上かつベテランの皆様に、ずいぶんと鍛えてただきました(;^_^A
チーム内の意見をまとめて他のチームや部署と折衝するのですが、これがまあ大変で(笑)。いわゆる「板挟み」ってやつですね。
メンバーからの意見はごもっともなことも多く…でも経営の立場上それは通らず…みたいな感じで。
いつの間にか、メンバーの意見を集めて会議の場で読み上げるだけの録音再生マシーンのようになってしまいました。
そんなとき、当時の上司だった「Nさん」に声をかけられました。
Nさんは、レンズに薄いオレンジ色が入ったメガネをかけ、ゆるいパーマをくるくるしながら話す、一見チャラい兄さんでした。
「Nさん、聴いて下さいよ!」
と堰を切ったように話す私。「おぅ、おぅ、おぅ」と軽いトーンで聞くNさん。
この人…話聴いてんのかな?といぶかる私に、Nさんが一言。
「でさ、結局、お前はどうしたいん?」
一瞬、何を言われているのか理解できませんでした。
自分としては、チームの現状や不平不満を伝え、他部署の考え方を伝えたうえで、上司たるNさんに判断をゆだねたかったのです。しかし、Nさんは答えをくれませんでした。
最初は、なんて無責任な上司なんだ!と思いました。
しかし、はたと気が付いたのです。自分の「意思」や「考え」と、しっかり向き合っていなかったことに。
これまでは、否定されたり、正しさを押し付けられたり、そもそも求められなかったりで、「自分の意思」を確認して行動する、という視点が欠落していたのでした。
そして、自分の意思を示し望む方向にみなを導くには、責任が伴います。「ああしたい、こうしたい」がないという事は、その責任を放棄することなのだ、ということに気づいたのです。
Nさんの真意を悟り、私は衝撃を受けるのでした。
「自分で決めてええんや‥‥」
自分で決めていいし、自分で決めなきゃいけない。そして、決めたことには責任を持って取り組まなきゃいけない。
その後に出会った上司や先輩からも、ことあるごとにK・O・D?を問いかけられました。何度も何度も。
全てはジブンゴト。
これが、この会社で学んだ一番大切なことでした。
そしていま、仕事に限らず、家族との関わりや生き方そのものについて、すっぱだかの自分に問いかけています。
結局、お前はどうしたいん?と。
…問いに答え続けること、そのプロセスが人生、かな。
ほな、また。