日本酒と食べ合わせの基本的なお話【ひとくちコラム #1】
こんにちは。はじめまして。
宮城の日本酒と食の食べ合わせを提案するサケニサカナプロジェクトで、アドバイザーをしているハシモトです。県産業技術総合センターの研究員として日本酒の研究や技術支援に携わり、現在は宮城県の食産業振興課で県産品の販売促進やブランド化等に取り組んでいます。
そんな、私ハシモトが「初めての食べ合わせ」や「宮城の日本酒の魅力」をテーマに発信するコラムがスタートします。
ときに専門家の目線で、ときに日本酒好きの目線で、宮城の日本酒や食べ合わせの魅力を発信していきます。
コラム第一回は日本酒と食べ合わせの基本的なお話しを少し。
日本酒は、ご存じの通りお米から造られます。日本酒の原料となるお米に麹菌(こうじきん)という真菌の一種をつけ繁殖させるとデンプンやタンパク質を分解する酵素が作られます。それが米麹。
こうしてできた米麹にさらにお米を加え、水と酵母を一緒に仕込むとお米が分解されて糖とアミノ酸などのうま味成分ができ、この糖を酵母が食べることでアルコールや酸味と香りがつくられお酒ができあがります。麹や酵母はいろんな種類があってその組み合わせで香りや甘み、酸味、うま味の濃さなど様々な味わいを造り分けることができます(もちろん高度な技術が必要です)。
日本酒はその豊かな味わいのおかげで幅広くいろいろな料理に合いますが、昔ながらのうま味ののったお酒はお刺身やカルパッチョ、おでんや鍋物などにピッタリ。すっきりした切れ味の良いお酒は塩味の焼鳥やフライなどの揚物、ポテトサラダなどにも相性抜群。リンゴのような華やかな香りの吟醸酒は魚介のソテーやグラタンなどにと、それぞれの食べ物と相性の良いお酒が、酒蔵のこだわりや消費者に届けたい味わいなども考えながら造られています。
食べ物と合うお酒を探すためには、
その食べ物の産地の酒蔵のお酒から探すのが近道です。
なぜならその土地の杜氏や蔵人たち食卓にはその土地の旬のごちそうが並んでいて、無意識にそのごちそうに合うお酒を造ろうとするからです。海のものをいただくなら港町の、旬の野菜をいただくなら内陸の、肉料理をいただくなら山沿いの酒蔵の酒蔵から選ぶとそれぞれの食べ物に合うお酒にめぐり逢えることも。
このコラムでは、知っておくとおいしい食べ合わせが楽しめるような豆知識でより楽しい食卓となるような記事をこれからもお届けしていきます。