最近の読書#55
みなさんどうもです!さかいです!
今回も僕が最近読んだ本の紹介をしていきたいと思います!
例によって個人の感想なのでご了承ください…!
では、どうぞ~!
・敗者のゲーム(チャールズ・エリス)
投資の本。
NISAなどで投資が身近になった今、必読の書として挙げられることが多いものの一つ。
内容としては「短期的な投資はギャンブルになりやすい。そして特定の会社や分野に集中投資するのもリスクが高い。株式投資は指数に連動するインデックスファンドを長期、分散、積み立てするのがベター」というものだった。
昨今言われている長期投資の基本的な考えを網羅していて、基礎的なことからしっかりと学ぶことができる。
多くの投資家やアクティブファンドが指数以下の投資成績であるのに対し、インデックス投資は指数に勝つことはないが「負けない投資」をすることができる。
つまり大勝ちを狙わないことで大損をするリスクを避ける戦法ということになる。
やり方自体はとてもシンプルなのだが、8月初旬に起きた急落でインデックス投資を頭では分かっていた人でも株を手放し退場する人が多かった(SNSでは売り煽りがひどかったらしい)のを考えると、シンプルで基本的な事をやり続けるのがいかに難しいかが伺える。
ちなみに僕は旧つみたてNISAのころから積み立てをやっているので急落を経験した今でもいちおう含み益は出ている。
老後の資金作りとして、これからもコツコツと積み立てていこうと思う。
・幸福のための人間のレベル論(藤本シゲユキ)
自己啓発書。
人が幸せな生き方をするにはどうしたらいいか、という普遍的な悩みに対して、人生への向き合い方や生き方を論じた本。
参考文献やエビデンスに基づいた話ではないので、あくまで筆者の経験ベースで書かれた、言ってしまえばエッセイやコラムの類と言っていい。
人の考え方や生き方には段階があり、それぞれのフィールドで幸福の度合いが異なる。
そのため、より高いフィールドに自分自身を置き幸福な生き方を目指そう、という主張であった。
体感ベースとしては概ね同意できるし、みんなが何となく思っていたことを言葉にして説明してくれるのはハッとさせられる部分もあった。
ぶっちゃけ階層分けしてフィールドごとに説明してはいるがそこは内容としてあまり重要ではない。
本書の大事なポイント、伝えたい主軸は『自分の生き方に責任を持ち、周囲への愛をもって成すべきことを成すべし』という事に集約される。
主観ベースで書かれた内容の本だが、エビデンスベースで書かれたサトマイさんの本『あっという間に人は死ぬから』と似たような結論に帰結するのは興味深い。
やはりどのような道筋を辿っても本質的な部分は共通している、ということなのだろう。
僕は『人はみな幸福になる為に生まれてきている』と思っているので、これからも自分と、周りの少しの人が幸福になれる生き方を追求していきたい。
・バカと無知 ―人間、この不都合な生きもの―(橘玲)
SNS等で顕著であるが、昨今では自身の正義を振りかざし、他人に攻撃的になる人間が後を絶たない。
それは自分の立場から見て『善』と『悪』を単純に判断し、悪に対する『正義の鉄槌』という行為に簡単に酔うことができるからだ。
そういった自分から見えている情報だけで、自分を主軸に、インスタントな悪を作りだす。
このような分断を生むだけの迂闊で愚かな行為は、なぜ現代でも横行してしまうのか、というのを解説した一冊になっている。
人間の脳自体は石器時代からろくにアップデートされておらず、150人程度の集団で生活していた時のまま、現在においても運用されている。
原始時代では集団に貢献しない無能は群れから外され、生きていく事ができない。
だからこそ無能なものは優秀な人間の足を引っ張り悪い噂を流し、相対的に自分が優秀であることを示すことで群れから排除されないように生きてきた。
反対に優秀なものはその能力を知られると無能なものに足を引っ張られてしまうため、できるだけその能力を隠す傾向が強くなる。
つまり、バカや無能ほど自身の能力を過剰に誇示し必要以上に声がでかくなり、優秀なものほど自己評価を低く見積もり謙虚になるという。
しかし人類は自信満々な発言を『リーダーシップがある』と誤解し、それが荒唐無稽な主張であっても簡単に信じてしまい、それによってバカな発言をする声のデカい無能と、それを妄信する集団が形成されてしまう。
そして現代ではSNSによってそれがより簡易かつ大規模で可能になってしまった。
かつて人類は衆愚政治によって都市や国家が滅んだこともあったが、これはバカの大きな声に耳を傾け過ぎたことによる。
そして現在でも、人類は同じ過ちを繰り返し続けている。
解決策としては、人々がこういった人間の特性や本性に自覚的になり、自分自身の振る舞いや行動を顧みるようになればもう少し社会は分断と愚かさから距離をとることができるかもしれない……が、まぁ無理だよね…。
本書の中でもあったけれど、バカな人は『自分がバカであることを自覚できない』から、人間の特性や本性なんて気にも留めないし、自分自身の能力に疑問を持つことさえない。
あまりにも残酷で身も蓋もないけれど、個人として可能な結論はこういうことなのだろう。
『自分の無知を自覚して謙虚に学び続け、バカにかかわらない』
・弱者男性1500万人時代(トイアンナ)
近年耳にすることが多くなってきた言葉である『弱者男性』。
単純にモテない男の揶揄として使われることもあるが、実際は金銭や就労などを含め生活に何かしらの困難を抱え、生きづらさを感じている人を差すミーム発祥の言葉である。
この弱者男性が今の日本では最大で1500万人、およそ8人に一人の割合で存在しているという。
もはや社会問題と言ってもいいレベルだが、そんな弱者男性の支援や対策は決して行き届いているとは言い難い。
理由として、もともと男性は強くてたくましい、いわゆる『強者』であるとみられ、そこから脱落するのは「努力不足である」というレッテルを張られてしまうからだという。
そのため女性に比べ弱者男性は社会的に孤立しやすいうえに支援もままならず、さらには弱者男性自身が「こうなった原因は自分になる」と自分を責める傾向が強く、それが男性の高い自殺率に繋がっている可能性を指摘している。
つまり社会全体に対して男性に「男らしさ」を求める風潮が根強く残っており、うわべでは「自分らしくあればいい」「男らしさから降りていい」と言う人はいるが、事実として男らしくない男性は頼りなく見られ、女性も結婚したがらない。
さらには男性自身も子供の頃から我慢したり弱音を吐いたり人に頼るのは男らしくないとされ、タフさや強さを求められ、それができれば称賛される。
その結果、先ほどのような自責的なバイアスを弱者男性自身が抱えてしまう。
このような生き辛さを抱えた男性たちが増加していくのを放置すれば社会としても大きな損失になる。
他の社会的弱者と同様、弱者男性も必要に応じて助けを求め、支援を受けられるよう整備していくことがこれからの社会には必要であるとして、本書の結びとなっていた。
チー牛とかもそうだけど、他人の短所を矮小化して嘲笑う風潮、あんまりよくないよね。
本人が言うならまだしも、他人に向けてこういった言葉をぶつけて茶化してネタにしてるのは差別以外の何物でもないし。
何よりそんなんじゃ、この問題に対して真剣に取り組もうとする人も出てこなくなってしまう。
ホームレスとかもそうだけど、身の周りにいてほしくないと思う人を『透明な存在』や『見下して遊んでいいオモチャ』として扱うのではなく、現実的な支援や対策が必要な存在として身近にいることを、僕含めた大衆がもっと自覚的であるべきだと感じた。
見えない存在にこそ、目を向けるべき。
・なぜ重力は存在するか(野村泰紀)
物理学の本。
物理の基礎となったガリレオから始まり、ニュートン力学や古典物理学の歴史や、アインシュタインが発見した相対性理論、そして量子論や現代物理学へと続く一連の流れを網羅的に知ることができる本。
最後の方は統計力学による『時間は理論上、逆に流れても物理的には成り立つ』という、夢のある話もあり、好奇心が刺激された。
内容としてはYoutubeチャンネル『ReHacQ』で配信されていた講義を元に書かれているので、お時間がある方はそちらを参照されるのもいいかもしれない。
一つだけわかるのは、宇宙も物理学も、まだまだ分からないことが多すぎる、ということ。
科学的な根拠をエビデンスとすることは多いと思うけど、その科学自体がまだまだ未知なもので、天動説と地動説のように常識がある日いきなりひっくり返ることだって十分にあり得る。
いつかマルチバースが解明され並行世界への移動ができるようになったり、時間旅行が可能になる未来が来てほしいな、とSF好きとして願わずにはいられなかった。
物理を学ぶことは、世界の構造を学ぶこと。
以上になります!
今回もお付き合いいただき、ありがとうございました!
なにかの参考になれるなら幸いです!
それでは!
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