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酒粕の菌は生きたまま摂取した方が良い?Part2
こんにちは!さけ かす子です。
酒粕を加熱すると菌が死んでしまって、酒粕を取り入れるメリットがなくなるのでは?というご質問をいただき、Part1では「酒粕中の菌は無理して生きたまま取らなくても良い」理由を書いてきました。
▼Part1はこちら▼
Part2では、皆様が気になっている酒粕を取り入れるメリットについて、書いていきます。
発酵過程で生成される成分が重要
まず酒粕は、お米が発酵してできた食品です。
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酒粕製造(清酒製造)の過程では、麹菌や酵母菌が働いてアルコールを作りますが、他にも有機酸、アミノ酸、ビタミン類、健康効果が期待される機能性成分を作り出してくれています。
そしてこの発酵過程で作り出された成分が我々の健康に良いのではないか、と近年注目を集めています。
酒粕が健康に良いと言われるのは菌が生きているというよりも、「菌が発酵過程で作った成分が沢山含まれているから」なのです。
ではどのような成分が含まれているのでしょうか?
①脂肪の蓄積抑制に役立つ成分
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酒粕に含まれるレジスタントプロテインという消化されないタンパク質が含まれています。
レジスタントプロテインは、消化されずに腸まで届き、腸で余分な脂質や、コレステロールから作られる胆汁酸を吸着して排出を促す働きが示されています[1][2]。
動物実験では、血中中性脂肪の低下や血中コレステロール濃度の低下が示されており、脂質代謝改善や脂質蓄積抑制が期待されています[3]。
脂が多い食事の際には、酒粕を一緒に取り入れると良いかもしれません◎
②美肌を目指す方に嬉しい成分
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酒粕=美肌効果のイメージを持っている方も多いかと思いますが、その理由の一つはグルコシルセラミドを多く含むから。
酒粕には、米麹由来のグルコシルセラミドが含まれています[4]。グルコシルセラミドとは我々の皮膚のセラミドの前駆物質。セラミドはスフィンゴ脂質という脂質の一つで、肌の潤いを保つのに重要な働きをしています。
米麹由来のグルコシルセラミドを摂取することで肌の水分量が保たれ、肌の調子が整うという研究結果もあります[5]。
③現代人が摂取したい栄養素が増加
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酒粕の原料は『お米』にも関わらず、酒粕は精白米と比べてタンパク質、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、食物繊維、亜鉛などを非常に多く含有しています。なぜお米より酒粕中に多いのかというと、その理由は「酵母菌の働き」にあります。
タンパク質が多い理由は、酵母菌が糖質をアルコールに変え、上槽(搾り)によってこれらが清酒中に移行することで相対的に酒粕中タンパク量が増える上、酵母菌自体がタンパク質源であるからです。
またビタミンB群は酵母菌が多く保有しているため、酒粕には酵母由来のビタミンB群が沢山含まれていると考えられます。
お米が発酵の過程を経ることで、酒粕ではこのような栄養素が増えているのです。
④死んだ菌も腸内環境改善をサポート!?
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加熱によって酒粕中に含まれる菌は死滅します。または購入した時点で既に死んでいる菌も多いのが酒粕。この死菌は食物繊維の働きをしてくれて腸内環境を整えると言われています。
例えば、酒粕に含まれる麹菌の菌体は不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は便のカサを増して便の排出を促すことで、便通改善が期待できます[6]。
また、酵母菌や麹菌には水溶性食物繊維(βグルカン)が含まれています。βグルカンは腸内で免疫機能を活性化することで免疫力を高めると言われています[7][8]。
このように菌自体に含まれる成分に効果があると期待されているため、生きているか死んでいるかはそこまで重要ではないと考えられます。
大切なのはどうやって美味しく続けられるか
ただ、このような健康効果があっても酒粕を美味しく食べられないと継続は難しいですよね。私は酒粕の最大の良さは「美味しく続けられて健康に役立つこと」だと思っています。
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酒粕は、料理にコクが出て減塩でき、乳製品の代替にもなります。いつも食べすぎている塩や乳製品を我慢するのではなく、置き換えることでストレスなく体を労わる食事を選択することができます。
粕汁や甘酒のイメージが強いかもしれませんが、使い方のコツを掴めば色んな料理に活用でき、特に洋食に酒粕は大活躍。
酒粕を取り入れてみたいけど使い方がわからない…
そんな方はぜひ究極の酒かす研究会に足を運んでみて下さいね☺️
最後までお読みいただき有難うございました🌸
[1] 芦田優子, et al. 日本農芸化学会誌 71.2 (1997): 137-143.
[2] Kubo, et al. Lipids Health Dis. 2017;16(1):106.
[3] Kurahashi, Atsushi. Journal of Fungi 7.6 (2021): 469.
[4] Yamashita, et al. Journal of Oleo Science 70.8 (2021): 1147-1156.
[5] Enomoto, et al. Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology (2022): 1283-1291.
[6] Yoshimi, et al. Biosci. Biotechnol. Biochem. 80 (2016): 1700-1711
[7] Yoshimi, et al. Journal of applied glycoscience, 64.3 (2017): 65-73.
[8] Zeynep, et al. Turkish Journal of Agriculture: Food Science and Technology, 10 (2022):1957-1965.