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【毎週ショートショートnote】ジンジャークッキーイブ

お題:ジンジャークッキーイブ


「いや、お洒落なクリスマスどこ行ってん」
「遥か彼方へ消えました」

 鼻を掠めるほのかな生姜の匂いと、香ばしいほうじ茶の匂い。ぽりぽり、ぽりぽりと彼女が食べているお菓子の袋にはでかでかと、「生姜煎餅」と書かれていた。
 今年のクリスマスイブは絶対お洒落にする。彼女はそう意気込んで、ジンジャークッキーを作ろうとしていたはず。もしかして俺の記憶がおかしいのか?
 とにもかくにも、コンビニ帰りの冷えた体を温めようと、彼女の隣へ腰を下ろす。肩まで炬燵に潜り、ふんわりとした脱力感に目を細めた。

 しかしどうしても鼻を掠める生姜の匂いが気になり、姿勢を正す。机の上に置かれたそれをひとつ手に取って、ぽいっと口内へ。硬めの触感と、生姜の味が甘味を引き立てるそれは少し癖になりそうだ。

「ジンジャークッキーの代打です」
「もうちょっとマシな代打おったやろ」

 口ではそう言っても、手は止まらない。炬燵から出るのは非常に億劫だが、俺も彼女と同じほうじ茶を淹れようと思う。


生姜せんべい大好きなんですよね。


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