朝早く起きるようになってから、できることが増えた
結構前から流行っている、朝活はご存知だろうか。朝早く、人によっては五時ごろから起きて仕事や日々の活動の前に自分のための時間を過ごすことだ。二、三年前に知り、ずっと憧れていたが、寝るのが大好きというよりは起きられない体質のロングスリーパーの私は、何度努力してもギリギリの時間にしか起きられず、ただただYouTubeの朝活Vlogを見ては羨んでいたのだった。
それが、近年では春秋だけは早めに目覚めることができるとわかった。一晩中エアコンを入れていても朝から体力を奪われるレベルの暑さの夏と、布団が気持ちよすぎる冬は起きるのにかなりの気力がいるのに対して、春秋は起きるのが比較的容易なのだ。それで、ここ一週間ほどは朝早く起きるようになり、読書やドラマ鑑賞などをするようになった。
春からコツコツ観ていたドラマの『ブラッシュアップライフ』は、ウォーキングマシンをするときしか観ていなかったので、夏が終わっても全体の四分の三しか視聴できていなかった。それがこの一週間であと一話になった。面白くなったところなので、ラスト一話は大切に取ってある。アニメも続きを観始めた。『逃げ上手の若君』はウォーキングマシン用のアニメにしてあり、運動しつつ楽しんでいる。
本に関しても三冊ほど読めた。新書の『ACEサバイバー 子ども期の逆境に苦しむ人々』は自分の人生の謎としてあるテーマ「人間の弱さ」について知見を得ることができた。武田百合子のエッセイ集『ことばの食卓』は著名なエッセイストである武田氏の子供時代の思い出が面白く、楽しく読んだ。韓国のブッカー賞作家ハン・ガンの長編小説『菜食主義者』は、人間の孤独や生きることについての小説で、最初は辛い読書だったが、最後には何となく生のしなやかさ、頑強さを感じられた気がして、とてもよかった。『菜食主義者』については感想が人によって全く違う、人に合わせて変わる鏡のような作品なので、読んでみてほしい。私は手持ちの『すべての、白いものたちの』『菜食主義者』に加えて他の作品もほしくなった。『ギリシャ語の時間』が面白そうである。
本やドラマ、アニメなどたくさん鑑賞できて嬉しいが、連休に朝早く図書館に行ったら、学習室には席を取れなかったが、自習コーナーに座ることができて、しばらくPCをいじれたのも嬉しかった。小説を書くつもりで行ったのだが、人通りの少ない学習室ではなく、自習コーナーだったので、休日の子どもがもれなく画面を覗き込んでくるのが辛くて家計簿をつける羽目になった。小説を見られるより家計を見られたほうがマシである。そんなふうだったが、この調子なら朝早く起きて図書館で小説を書く習慣がつくのも夢ではなさそうである。
私は平日にも休みがあるので、そんな日に行って学習室で小説を書くのもいいと思っている。
小説は少しだけ進んだ。朝早く起きるとやる気がかなり湧くので、夜までそれは続き、小説も書けるのだ。思ったより小説一辺倒で書くことにはならなかったが、インプットとなる作品鑑賞が結構できたので満足だ。インプットは小説を書くときのネタにもなり、原動力にもなるので、どう考えてもインプットを捗らせてくれる朝活は素晴らしい。
そんなことを思っていたのだが、今日は朝十一時まで寝てしまった。目覚ましを忘れていたのだ。そのため体調が優れず、何となくやる気も出ない。寝すぎることの害悪を久しぶりに身をもって知った。やはり早起きは三文の徳なのである。