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旬の野菜を食べましょう

みなさん、こんにちは。坂ノ途中・研究員の小松光です。

私たちは、「環境に配慮した食事」について考えています。前回は、「肉の量を減らすことで、環境への負荷を減らせる」という話をしました。

今回からのテーマは、野菜です。今月は、旬の野菜を食べることについて、考えてみましょう。

現代では、スーパーに行くと、冬でもナスやトマトが売っていたりします。こうしたナスやトマトの大部分は、ビニールハウスで育てられています。そして、ビニールハウスの加温には、化石燃料が使われています。

こういうわけで、加温栽培の野菜は、無加温の野菜よりも、気候変動への影響が大きいのです。ここまでは、ご想像のとおりかと思います。

問題は、どのくらい影響が大きいか、です。加温して野菜を育てる場合、無加温の場合に比べて、何倍の温室効果ガスが排出されるでしょうか? ちょっと予想してみてください。

日本で行われた研究に基づくと、ナスでは約9倍、トマトでは約12倍とのことです。みなさまの予想と合いましたでしょうか?

実は、私がこの研究結果を知ったのは、わずか4か月前です。そのとき、非常にびっくりしました。私はそのときまで、せいぜい3倍くらいかと想像していました。別に根拠があったわけではありません。なんとなくそう思っていただけです。ですが、上の研究結果を知って以来、加温栽培の野菜をできるだけ買わないようになりました。

加温栽培の環境負荷が大きいことは、何も日本に限ったことではありません。最近知ったイギリスの研究でも、同様の結果が得られています。

イギリスは寒いので、ナスはしばしば加温栽培されるそうです。一方、ヨーロッパ大陸では、無加温のナスが育てられています。イギリスでは、「国内で加温栽培されたナスを食べる場合」のほうが、「ヨーロッパ大陸からトラック輸送された(ドーバー海峡トンネル経由)無加温ナスを食べる場合」より、多くの温室効果ガスが排出されるそうです。

つまり、「加温による温室効果ガス排出量」が「ヨーロッパ大陸からトラック輸送するための排出量」を上回る、ということです。そのくらい加温というのは、環境に対する負荷が大きいのです。

こういうわけで、できるだけ加温されていない野菜、つまり旬の野菜を食べることが、環境負荷を減らすうえで効果的です。坂ノ途中は、できる限り加温されていない旬のものをお届けするようにしていますが、それも割と理にかなったことのようです。

ただ、加温された野菜を食べないというのも、さほど楽ではありません。時期によっては、野菜の種類が限られるため、毎回似たような料理になりがちです。たとえば冬だったら、ダイコンやカブばかりを食べて、うんざりするかもしれません。

でも、そんなときは、新しいレシピに挑戦するチャンスでもあります。インターネットのおかげで、たくさんのレシピが簡単にみられる時代です。ちょっと心にゆとりのあるときに、探索してみてはいかがでしょうか? 坂ノ途中にもレシピのページがあり、どなたでも見られます。

新しいレシピを少しずつ試していけば、同じ野菜から、様々な料理を作れるようになりそうです。私も試行錯誤を続けて、旬の野菜で楽しい食卓を作れるようになりたい。この文章を書きながら、そんなことを思いました。

今回は、野菜の加温の話をしました。次回は、有機農業の話をしようと思っています。それでは、また。

小松 光(坂ノ途中の研究室)


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