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走り続けるために、立ち止まる 〜坂ノ途中のIMMのはじまり〜

こんにちは。坂ノ途中の研究室の横浜美由紀と申します。

これからnoteで月に一度程度、「IMM(インパクト測定・マネジメント)」をテーマに発信していこうと思います。
小松の連載「食事から考えるやさしい環境学」と交互での更新になるので、そちらもぜひご覧ください。

2022年に坂ノ途中の報告書をリリースして以来、有難いことに各方面の方から「ロジックモデル作りの参考にしています」「坂ノ途中みたいなインパクトレポートを作りたい」というお声をいただくようになりました。

坂ノ途中の報告書(On the slope REPORT)

知識を教えるというよりも、私たちの今までのジタバタとした試行錯誤を共有することで、そういった方々のお役に立てるのではないかと思い、この文章を書いています。

具体的には、下記のようなキーワードに興味がある方に届くと良いなと思っています。
・IMM
・ロジックモデル
・セオリー・オブ・チェンジ
・インパクトKPI
・インパクト評価
・インパクト測定
・インパクトレポート


「そもそもIMMとは何?」という方に向けて少しご説明すると、Impact Measurement Manegementの略で、日本語では「インパクト測定・マネジメント」と呼ばれます。日本語にしてもピンと来ない方が多いかもしれません。

企業や非営利組織の活動やサービスが、社会や環境に与えた変化や効果を可視化するのが「インパクト測定」、社会的な効果に関する情報にもとづいて事業改善や意思決定を行い、インパクトの向上を志向することを「インパクトマネジメント」といいます。

SIIFさんのHPより

少し難しそうですね。

私なりの言葉にすると、IMMとは「自分の会社が世の中にどんな影響を与えているのかを考え、その影響の大きさを測定し、事業をより良くしていくこと」だと思っています。

会社や団体に所属するほとんどの人たちは、自分たちは良いことをしていると思いながら活動していると思います。でも走り続けていると、自分たちの役割を改めて考える時間がなかなか取れないことが多いのではないでしょうか。

坂ノ途中は、「100年先もつづく、農業を。」というビジョンを掲げて、環境負荷の小さな農業を広げるための様々な事業を行っている会社です。
社会や環境が少しでも良くなるようにと、2009年の創業以来、農業分野を代表するソーシャルベンチャーとして走ってきました。

でも、少し立ち止まって、私たちが、誰に、どんな影響を、どれくらい与えているのかを改めて考えてみても良いのでは。
それが、走り続けるための力になるかもしれない。


私たちがインパクト測定・マネジメントに取り組みはじめたのは2022年の3月のことでした。

今までに行ったことは大きく3つです。

  • セオリー・オブ・チェンジ(ロジックモデル)の作成

  • インパクトKPIの設定

  • インパクトレポート(坂ノ途中の報告書)の作成

どれも時間がかかりました。セオリー・オブ・チェンジも、インパクトレポートも、完成までに半年以上かかりました。
もちろん、他の業務と並行して進めていたからというのもあるのですが、まだIMMに関する情報や事例が少なく試行錯誤の連続だったというのもあります。このあたりは周りの方々に随分と助けていただきました。

私は今もIMMの専門家ではありません。元々クリエイティブディレクターとして、Webや印刷物の設計図を書いたり、キャッチコピーや文章を書いたり、デザイナーさんにフィードバックしたりといった仕事をしてきました。なので情報を整理することは少し経験がありましたが、インパクト測定・マネジメントなんて言葉も知らない状態からのスタートでした。だからこそお伝えできることもあるのでは、と思っています。

次の記事では、最初に取り組んだ「セオリー・オブ・チェンジ(ロジックモデル)の作成」についてお話しします。
迷いながらの紆余曲折を振り返って、こうしてよかった、逆にこうしておけばよかった、を共有できればと思います。

それでは、また来月!

横浜 美由紀(坂ノ途中の研究室)


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