池袋のライブハウスが好きな理由を"近いから"以外で考える。
お題に対して、少しズレた回答をするシリーズ。
別に真面目に答える気がないわけでもないのだが、考えていると迷路に迷い込んでしまう。
そもそも地方のライブハウスなんて、ほとんど行ったことがない。
行ったとしても1度きりであることが多く、そのうち何件が今でも営業しているか、と考えると、とても順位をつけられる立場ではないのかな、と。
では、都内のライブハウスはどうかと言われても、なかなか難しい。
思い返してみて、ライブハウスによって好き嫌いはほとんどない、ということに気付いた。
良くも悪くも、ライブハウスがライブの想い出を左右することなど経験したことがないのである。
バンドが良いライブをすれば良い想い出になるし、ファンのマナーが悪ければ嫌な想い出にもなるわけで、思った以上にライブハウスにドライな感情しか持ち合わせていない自分に、苦笑いしか出てこない。
強いて挙げるなら、家から近いところ……になるのだけれど、なんだかライブハウスを好きな理由として後ろめたさを感じてしまうので、無理やり"家から近い"以外の理由をこじつけていこうと思う。
なお、自宅から一番近いターミナル駅は池袋である。
池袋EDGE
行きやすさ : ★★★★★
見やすさ : ★★★★
高田馬場AREAや二万電圧の系列店。
コンパクトなAREAといった雰囲気で、見やすさは折り紙付きだ。
AREAが年内いっぱいで閉店になることが決定している状況下、新たな聖地になれるかどうか、期待がかかる。
何より素晴らしいのは、駅からの立地。
一本裏に入るとはいえ、池袋駅の東口を出たらすぐ。
その他のライブハウスは西口方面に集中していることもあり、メインストリートと近いのも魅力的だ。
パッと行って、よく見える。
後方で見たい男ファンにも優しい構造である。
気軽に入りたくなる敷居の低さが魅力的なので、池袋EDGEは好きなライブハウスだ。
BlackHole
音の良さ : ★★★★
ドリンク交換のしやすさ : ★★★★
小規模のハコとしては、音響に定評があるBlackHole。
爆音なら何でもよかろう、みたいなライブハウスも存在する中、細かい演奏にも目配り、耳配りができるのはありがたい。
V系シーンとのフィット感も抜群だ。
ステージとフロアの近さも、臨場感を重視するのであれば魅力である。
グループが談笑していたりするとすれ違うのも一苦労な通路の狭さは難点とも言えるが、バーカウンターがフロアと別になっているのはありがたい。
転換時の導線がぐちゃぐちゃになっている中で並ばなくても、休憩がてらフロアの外に出てゆっくりドリンクの交換ができる。
これは、フロア内にバーカウンターがあるライブハウスよりもワンノッチ上がる。
とにかくライブに集中できる環境が揃っているので、BlackHoleは好きなライブハウスだ。
音処・手刀
自由度の高さ : ★★★★★
安心感 : ★★★★
数あるライブハウスの中でも、アングラ感はトップクラス。
ニッチな路線を貫き切った結果、ブランド化に成功し、"手刀のファン"という概念を作り出した老舗である。
ここについては多くを語る必要もあるまい、といったところではあるのだが、強いて言うなら、自分の年齢や性別に引け目を感じずに済むから気楽である。
メインストリームから外れたバンドが登場する池袋手刀は、集まるファンもメインストリームから外れた層だ、なんて書くと両方向から怒られそうだが、やはり同世代が多い気がするし、男女比の極端化は薄まっている気がする。
まだライブに来て良いんだ、と思わせてくれるライブハウスの存在は、シーンの維持という大きな枠で見ても貴重なのではなかろうか。
アングラなわりに、アットホームな空気感があるから、音処・手刀は好きなライブハウスだ。
ちなみに、この書く前に営業を終了してしまった池袋の老舗と言えば、池袋Cyberを忘れてはいけない。
思い出補正 : ★★★★★
聖地に来た感動 : ★★★
音もそれほど良くないし、レイアウトも微妙だし、狭いし汚い。
キャリアによっては電波もほとんど入らない。
そんな池袋Cyberだが、やはりヴィジュアル系の聖地として思い出深い。
トークイベントを開催した縁もあり、個人的には忘れられないライブハウスだ。
マリア様、今どこで活動しているんだろう……(特に調べるつもりはない)
おい、お前、池袋Cyberが潰れた理由って知ってるかい?
なんだって、最善の策(最前の柵)がなかったっていう話だよ。
おあとがよろしいようで。
きちんと答えない分際で恐縮だが、お題のリクエストはマシュマロまで。