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物の価値とは?
中原淳一さんのファッション雑誌「それいゆ」に掲載された記事(昭和28年)に風呂敷の活用法ページがあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1712976138093-FWKtmE9XKF.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1712976146752-WigCYlHksD.jpg?width=1200)
タイトルは、「ふろしきを胸に飾る」だ。
普通なら「スカーフを胸に飾る」と、するところだろうが、戦後の物のない時代、日本人なら誰もが使っていた風呂敷をスカーフに見立てて、少しでも当時の女性達に夢を与えようとしていることがうかがえる。
第二次世界大戦敗戦後の焼け野原の真っ只中で、人々は食うことに必死になり、未来への希望を無くし絶望と戦っていた頃、彼は「真の平和は、女性達が夢と希望に満ちて、美を追求できる世の中になることだ」と、理想に燃え、終戦翌年の昭和21年、ファッション雑誌「それいゆ」を自ら創刊している。
![](https://assets.st-note.com/img/1712976302941-WlkmqoWyGh.jpg)
この時代の状況を考えたら「それいゆ」の創刊はまさに常軌を逸している。ある意味命懸けだったと思う。
中原淳一は、どんな状況にあっても、身なりは汚くても、心を汚すな、「泥中の蓮」であれ。と女性達への熱いメッセージを「それいゆ」に込めた。
戦後の混乱期、お腹を空かし、バラック小屋を住まいとする人が多い中、批判を恐れず、女性達に夢を与えようとした彼の行動力を私は尊敬している。
彼は、雑誌の中でお金をかけなくても、物がなくても、美しく、心豊かに暮らす工夫の数々を提案している。
利休の侘茶の心がここに活かされている。
「物の価値は使う人の心と使い方で決まる」
●中原淳一
ファッションデザイナー・挿絵画家・スタイリスト・インテリアデザイナー・人形作家
成願義夫(ジョウガン ヨシオ)
#和文化デザイン思考 講師
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#伝統産業商品開発アドバイザー
#呉服繁盛店の作り方アドバイザー
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