後朝の別れ(きぬぎぬのわかれ)
平安時代の貴族は、ご存知のように「通い婚」が一般的で、男女は一緒に暮らしてはいませんでした。
男性は女性のもとを訪れては、共に一夜を過ごし、翌朝のまだ暗いころに帰路に着きます。
平安時代、実はまだ布団はなく、貴族の寝具はなんと畳(重ね畳)でした。
その上に夜は互いの衣(きぬ)を重ねて敷き、衣の間で逢瀬を重ねていたのです。
しかしすぐに別れの朝はやってきます。
共に過ごした時間を惜しみつつ、二人は互いの重ねていた衣を着て離れます。
帰宅した男性は女性の衣に焚き込められた香の移り香から、昨夜の逢瀬を思い出します。
一晩重なり合っていた二人の衣が離れ離れになる様を「衣衣の別れ」と言い、いつしかこの翌朝のつらい別れのことを「後朝の別れ」(きぬぎぬのわかれ)と書くようになったそうです。
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成願義夫 着物図案教室
●成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー
株式会社京都デザインファクトリー 代表取締役社長
●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。
●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。
●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計7万冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている 。
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