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『偶然性を必然的に操る』
不揃い、不規則、不完全、未完成。これが自然界における美の正体です。
ここで言う「不完全」とは、偶然性が介在することによって生じる不完全さです。
ものづくりにおいて、偶然性が介在した結果は、「失敗の駄作」と「予想を超えた傑作」とに分かれます。
日本の職人達が目指したのは、「偶然性を必然的に操れる境地」です。
この日本の職人の美意識は、19世紀のヨーロッパにも伝わっていました。
キーワードは、
『破調・もののあはれ・うつろい』、そこに生まれる『景色』です。
フランスの職人たちは、不完全なものこそ美しいと見なす日本人の美学や哲学について知ると、作品作りにおいて、量産品であっても均一、均等を求めず、革の一つ一つの個性を活かすことに注力するようになったそうです。
元々馬具工房として始まり、これまで数々の伝説的アイテムを世に送り出しているエルメスは今やバッグで有名なブランドですね。
ご多聞にもれず、エルメスの創始者もジャポニスムの洗礼を受けた一人です。
彼は、日本の日常風景が描かれた金唐革の戸棚や、カニやウサギが描かれた江戸時代の鎧などを収集し、1925年にはエルメスの職人が日本の花のモチーフを型押ししたレザーのハンドバッグを制作しています。
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その数年後には、メゾン初のウェアや小物ラインで、下駄に着想を得た斬新なビーチサンダルを展開しています。
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#和文化デザイン思考 講師
デザイナー 成願義夫
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