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「見せるお洒落」と「見つかるお洒落」

「チラリズムのすすめ。」

着物姿の女性を見て、袖の振りから見える長襦袢の色にハッとする事がある。ある時はそれがとても粋に感じたり、またある時はとても色気を感じたりする。
これは一口に言うと「チラリズムのお洒落」だ。
当然、ここにもTPOに相応しいことが優先される。

例えば、タイトル写真のグレーの地色の着物の袖の振りから見える赤色は、表地のシックなグレーとは対照的な色の組み合わせが彩度のコントラストをきわ立てて、チラリズム効果となり、見るものをドキッとさせる。

この場合、赤は効果的だがありふれている感は否めない。
自分らしいチラ見せカラーを見つけるのもセンスの見せ所であり、着物の「思案の楽しみ」のひとつだ。

振りから見えるチラリズム

着物を着る上で、無難に着るのは簡単だが、自分の個性を引き出すチラリズムを効果的に用いるのは、上級者の着こなしだと言える。

そう言う意味では、半襟もチラリズムアイテムの一つだと言える。
この場合、色もさることながらチラッと見える柄にもオシャレ心を込める事ができる。

赤地に飛雲立枠紋様は運気上昇を表す吉兆文様

松竹梅文様の半衿はお祝い事の席に相応しいチラリズム。

そして、着物のチラリズムで外せないのは八掛だ。
八掛のチラリズムは歩く後ろ姿に現れる。
着物の後ろ姿はとても重要だ。その人のセンスの全てが表れていると言っても過言ではない。
八掛は同系色の濃淡でまとめるのも良いが、ドキッとするような意外な色の組み合わせも面白い。
着る人の個性が現れる。

赤は定番だがやはりチラリズム効果は高い
着物の色柄に合わせたチラリズム
目を引く市松模様の八掛のチラリズム

着物のチラリズムは平安時代から続く色重ねが源流となり、今日まで継承されてきた美意識の一つだ。

「見せるお洒落」と「見つかるお洒落」この両方を意識して両立させるのが着物の達人のお洒落術。

色重ねは日本の美

お洒落に終わりなし。


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成願 義夫(ジョウガン ヨシオ)
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