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四君子(しくんし)とは?
四君子
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南宋の画題「四君子」の梅・藤袴(蘭の異名)・黄金草(菊の異名)・此君(竹の異名)を春夏秋冬に重ねて表しています。
『春蘭、夏竹、秋菊、冬梅』とし、この四種を草木の中の君子として称えた言葉でもあります。
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本来、中国語で君子は徳と学識、礼儀を備えた人を指し、文人はみな君子になることを目指しました。
蘭、竹、菊、梅の4種の植物がもつ特長が、まさに君子の特性と似ていることから、文人画の代表的な素材にもなりました。
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●蘭は高貴な香りと気品を備える。
●竹は寒い冬にも葉を落とさず青々としている上、まっすぐな性質を持っている。
●梅は早春の雪の中で最初に花を咲かせ、春告草の異名を持つ。
●菊は延命長寿の薬草として、また晩秋に鮮やかに咲く姿が美しい。
日本では、着物などの文様にも多用され、特に徳の高い君子を尊ぶ人々、あるいはそれを目指す人々に愛された文様です。
現代で言えば、例えば、ある社長の奥様がご主人の会社の祝典などに出席される際に相応しい衣装(着物や帯)の図柄だと言えます。
この場合、着物の図柄としては本来NGとされる『季節の混在』となっていますが、「四君子」の吉祥の意味が優先されるので四季を通じて着られる図柄となっております。
成願義夫
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