目利き力を高めよう! その3、『見立て』
その3、『見立て』
「見立て」とは「あるものを、別のものと仮にみなして表現すること」をいいます。
別の言い方をすると、「対象物を他の物になぞらえて、表現することや、他の何かを示してそのものを連想させる表現」です。
見立ての美学の歴史は古く、万葉集などの和歌に、その表現が既に見られます。
例えば、紀貫之の和歌
『さくら花ちりぬる風のなごりには水なき空に波ぞたちける』は、空を海に、桜の花びらを波に見立てて詠んでいます。
「見立ての美意識」は、その後、文人や茶人などに盛んに用いられるようになり、千利休の侘び茶では、漁師の魚籠を花器にに見立てるなど、逸話も事欠きませんね。
ご覧の枯山水では砂をあるものに、岩をあるものに見立てています。
また、最近ではマクドナルドが卵の黄身を満月に見立てて「月見バーガー」を期間限定で販売していますね。
実は、この月見バーガーにはもう一つの伝統的美意識も込められています。皆様お分かりになりますか?
その答えに辿り着けなくても、私たちの潜在意識はわかっているのです。
マクドナルド、流石でございます。(笑)
これは、日本人に内在する美意識の喚起であり、伝統的美意識の活用ですね。明らかに売上増加に反映されているそうです。
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さらにアートの世界にも「見立て」をテーマに作品作りをしているアーチストがいますね。
このように「見立て」は現在もあらゆるところで活用されていますが、その意味を読み解ける最低限の知識や教養は必要かと思います。
日本人の伝統的美意識は「見立て」以外にもたくさんあります。
ビジネスに活用できるこれらの伝統的美意識をぜひ学んでビジネスに、ご活用ください。
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伝統文様研究家
成願義夫(ジョウガンヨシオ)