記事一覧
【詩】たい焼き踏んでんぞ
床に落ちた 数秒前までたい焼きの一部だった中身は
床にあるだけでもうゴミと認識される
落ちる前までは救いたかったのに
落ちたらもうダメで
底辺に落ちた 数年前まで成人男性の一人だったそれは
底辺にいるだけでもう誰にも認識されない
落ちる前までは人だったのに
落ちたらもう人扱いされない
たい焼きは踏めないのに
床のあんこは踏める大衆
踏んで 被害者ヅラ
たい焼きを ぬちゃぬちゃ喰うハゲた眼
【詩】魂が潰れて涙がしたたる
涙が枯れ果て
魂が潰されてしたたる涙も
もう出なくなった
涙と魂と責任の分だけ軽くなった身体で
生きよう
「自分は特別」
そう思ってた子供の頃
「自分は特別何も持っていない」
そんな単純な人生のネタバレ
夕日が体内を乱反射して ひとりごとになって出ていく
特別何も持っていないみんなで特別なことをしよう
涙も魂も責任も失った身体で
特別何も持っていないみんなで特別なことをしよう
朝日を乱反
【漫画原作】『煩悩フリマアプリ ボンノン』第3話 狙われる少年
死刑執行人を退けて次の日。
「プレミアムモード出品を一旦取り下げましょう」
「え?でもまたあいつが出てきたら」
「私達はあいつのことを何も知りません。対策を練るためにも出現条件を把握しておく必要があります」
死刑執行人が出現する条件と間隔を知る。
そして倒せたら倒してしまう。
平太は決戦に備えて「槍術」と「パルクールの技術」を購入した。戦闘と逃走のためだ。身長も筋肉量も足りないた
【漫画原作】『煩悩フリマアプリ ボンノン』第2話 死刑執行人に狙われる少年
死神のような人物。それは「ボンノン」運営による死刑執行人。
天音いさりびが死刑執行人の前に立ちふさがる。
「ぴらりんは処罰対象となった」
死刑執行人はそう言いながら二人に近づく。
「逃げるぞ」
いさりびは平太の手を取り脱兎のごとく逃げ出した。決断力の高さもさることながら、いさりびは危険察知能力に長けていた。
「『臆病者の危険察知能力』を購入しておいて助かったー」
いさりびの車で
今週のおすすめnote5選!成長する人に共通する「ある行動」 / 箸が進む!「無限なす」のつくり方 など
いつもすてきなご投稿をいただき、ありがとうございます!
note編集部がピックアップした、今週のおすすめnoteをご紹介します。
気になった作品を、ぜひ読んでみてください。
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たった1割の人が実践している、学びを成長に繋げる「ある行動」「『学んでいる自分は前進している』と捉え違えてしまうと、ことビジネスにおいては成長や成果創出には繋がりづらい」
インプット、しただけで終わっていません
【小説】うつせみの代わりに 最終話 うつせみの代わりに
「ぎゃー!」
ひかるの叫び声が耳をつんざく。
ひかるにとっては僕が消えた瞬間にまた出現したのだから当たり前か。
ひかるに色々説明するのに朝まで掛かった。あごひげのことは残念だったが、ひかるに「AIだからもう会う気が無いらしいよ」とも言えず。僕は選ばれし存在ゆえに奇跡的に戻ることが出来たのだ、ということにしておいた。
実際僕はログアウト世界を体感したことでこの世界の見え方や感じ方、捉え方が
【小説】うつせみの代わりに 第10話 ログアウト
ログアウトというのはこの世界との接続を切る、ということだろう。
ウインドはひかるには見えていないようだ。
ひかるを部屋に上げると散らかってるのが気になった。片付けたかったがもうひかるに見られたわけだしまあいいかと居直った。
ひかるはキョロキョロ部屋を見回しながら泣いている。
ひかるにログアウトの表示について伝えた。ログアウトを許可すればいつでも消失することができるようだと。
辞世の句を
【小説】うつせみの代わりに 第9話 文月と霜月
「霜月朝陽さんですか?」
50歳くらいの男が話掛けてきた。家の前で待ち伏せされ、名前までバレている。逃れられないだろう。店長側の人間か。
僕が警戒しているのを悟ってか、その男は名乗る。
「失礼しました。私は文月源太郎と言います。君と同じ境遇の者です」
先ほどサンセットムーンライズでチャーミーが言っていた名前だ。
「今君はとても危険な状態なのではないですか?弾丸が込められ、トリガーが弾かれよう
【小説】うつせみの代わりに 第8話 文月源太郎
あれから何年経ったのだろうか。
あの日私は生きるために必要なものを失った。
諦めや逃げ。それらが私の中にあった魂の熱量のようなものを奪い去ってしまった。そのおかげで私はいまだにこの世界に存在していられる。だが今ここにいる私は、果たしてかつて魂がたぎっていた頃の私と同一人物なのだろうか。
共に同じ時代を生きていたはずの私と同じ顔同じ名前の彼。会うこともなくこの世界を捨ててしまった彼が、もしふ
【小説】うつせみの代わりに 第7話 探偵マリスとその助手チャーミー
あごひげが消えてから1週間後。サンセットムーンライズで探偵の男とその助手の女に会った。
助手の女はかなり若く見え、女子高生と言われたら信じてしまうだろう。化粧気がなく髪型が幼い印象を際立たせている。15歳にも見えるし、25歳と言われたら信じるだろう。不思議な雰囲気の女だ。
助手の女は僕たちの会話をメモっているのかと思ったが、探偵にメモ帳を見せ「落書きしないで」とその都度たしなめられている。な
【小説】うつせみの代わりに 第6話 サンセットムーンライズ
ひかるからの通話履歴が何件も届いているのに気付いたのは昼休みに入る直前だった。
僕のただならぬ雰囲気を察知した伊藤先輩が「どうした?」と声を掛けてくれた。それに対してなんと返事したかはもう覚えていないが、すぐに会社の外に出てひかるに通話をした。何が起きたのかはすでに分かっていた気がする。答えを確かめるためと、ひかるを落ち着かせるために通話をしたのだ。
「ひかるさん?」
「あっくんが………」