フォドキアさんとペイズトンの領民のアレについて※ネタバレ
購入から半年以上経ってようやくユニコーンオーバーロードをプレイしていて
アルビオン進軍中に突然のどシリアスが現れてたまげてしまったわけだが、
単純に上から目線で「領民たち最低…滅びた方が良かったのでは?」とか言い切れない事情めちゃくちゃあるよねとなった
まだアルビオン編のシナリオ全部見てない状態で書くのもなと思いつつ
いつもながら自分の頭を整理するために書いた
ゼノイラが領地に迫ってきたとき、徹底抗戦の構えを取った領主フォドキアに領民も快く従って一年半も粘っていたわけだけど
一切の補給がない籠城はただのジリ貧にしかならない、と実際の歴史くんが語る通りペイズトンでもそうなって
城塞都市内で(恐らくは)極度の飢餓に陥ってしまった
飢えや寝不足など生命維持に関わる異常が起きると、人間の脳は正常な判断が出来なくなるのは有名な話
現代日本でも財布やスマホなど生活必需品を紛失した場合、一気に心に余裕がなくなり、普段とはまるで違う攻撃性をみせる人がいる
「不快な思いをさせる原因を排除したい」
「今、この苦しみを軽くするためなら何でもやる」
ペイズトンは強制的に血管を止められ、壊死していくばかりの腕のような状態で
攻めてくるゼノイラ軍よりも、今まさに出入り口をせき止めている領主に恨みが行きやすかった
ゼノイラ軍の中に都市内へ潜り、フォドキアの息子の命と引き換えにした降伏をそそのかした者がいた可能性が高いが
誘いに乗り実行に移したのは領民たちである
ペイズトン陥落後、フォドキアはゼノイラ軍から領主を続けるよう指示され
自分を裏切り、息子を差し出した領民への絶望から彼らを閉じ込め続ける道を選んだ
アレイン率いる解放軍に敗れると、重傷をおして全ての事情を明かし、息子の元へ行く時が来たと語る
放置すれば、恐らくそのままフォドキアは死亡する
模範たる領主として振る舞うも結果として領民を苦しめ、大切な息子を奪われた
その悲しみを抱えたまま生きろというのは酷に思える
けれど、このタイミングでフォドキアが死ぬ方がよほど救われない気がしてならない
ペイズトンで起きた悲劇は、ゼノイラの侵略がなければそもそも発生しなかったからだ
ゼノイラの支配から解放され復興が進み、フォドキアが心から信じたペイズトンが取り戻された時
初めて領民たちが犯した罪を問えるし、彼らにたとえ手遅れでも「何故あんなことをしてしまったのだろう」と後悔させられると思う
「自分は極限状態にあった、相手の方が悪かったから絶対に謝らない」という無敵の人状態では
謝り合うなど夢のまた夢だろうから
治癒が間に合い命を拾った場合のフォドキアはもう領主に戻ることも、ペイズトンに関わることも避けるだろうけれど
疲れ果てたまま絶望を抱えて死ぬよりは生きていた方がずっといいことあるよ きっと