坂本雅

文章のお仕事募集中です。 Skeb→https://skeb.jp/@sakamoto_miyabi なろうのオリジナル小説アカウント→https://mypage.syosetu.com/771828/

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最近の記事

他が為の大魚の夢。映画『ビッグ・フィッシュ』&漫画『ひとりずもう』感想

映画感想の前に恒例の自分語りになるが、 小学校低学年の頃、図書館にあった「ちびまる子ちゃん」を熱心に読んでいた。 何巻に掲載されていたかは忘れたが、さくらももこ先生が漫画家デビューするまでを追ったエッセイ漫画が載っていて 「平凡なりに得意分野を活かして一心に頑張ってデビューできた!」という 叩き上げに近い、どこか泥臭くさえある生々しい描き方が印象に残っていた。 それから十数年以上の歳月が流れた今年、改めて描き直されたエッセイ漫画「ひとりずもう」を読んだ。 同名のエッセイをは

    • 愛しきものの幸を願う。『異刻メモワール』感想

      リアルでの数少ないお友達、イラストレーター・るんたさんの漫画『異刻メモワール』最終巻が先日発売された。 本人へ直接送った感想のnoteへの掲載OKをもらえたのでここに載せる。 ネタバレ前提なので気になった方は先に購入してから読んでいただきたい。 漫画連載がスタートしてからずっと、読みたい読みたいと思いながら、どうしてか熟読できずにいました 私はweb漫画という媒体で読むことがとても苦手でなおかつ数年、精神的によろしくない状態が続いていたので 一コマが大きく情報量があり、行間

      • 嫌だった。『レインコード』へのふせったー上の愚痴

        ※去年7月にTwitter(X)のふせったーに掲載したものです シナリオのネタバレ箇所がとかく肌に合わず、作品そのものに対し、かなり否定的な文章になっています 4章までは、まぁ普通に楽しんでたんだけど 5章に入ってからの真相と対処と解決とオチがなんか…めちゃくちゃ腑に落ちなかった ・全住民ホムンクルスと入れ替わり→元の住民全員骨も残さず死亡、血痕まで全部舐め取りました 1週間でそんな綺麗に大量の死体がまるっと片付くことある? •ホムンクルス公表して人間と似た新しい

        • 愛とは何か。大正メビウスライン・ドラマCDミサキ編感想

          本来は個人的に購入して楽しむだけで感想を書くつもりはなかったのだが、備忘録の方が事前情報を軽く凌駕するほど濃くインパクトがあったので衝撃を書き残しておきたくなった。 ごく短期間で大正メビウスラインにどんどん脳を侵食されている。心の取り返しがつかないところにミサ京というかミサキが刺さっている。 セールであろうとなかろうと買っておいた方がいいですよ、大正メビウスラインは……(ダイマ) 感想は例によってネタバレしかないのでご注意。 ・本編ドラマCD『神の棲む村』 ジャケット

          祝詞を謳う。『大正メビウスライン大全』レビュー

          Switchのセール欄を覗いていたら見つけた「大正メビウスライン大全」。 気になって公式サイトを調べたところ10年以上前に発売された18禁BLゲームの移植版であるようだった。 絵柄だけはどこかで見たことがある。Switchに移植版が出るということは、よほど不朽の名作にちがいない。 移植版は17歳未満禁止の表記ではあるものの、Hシーンは直接的表現ではなくなっているだろう。 余談だがこういった元HシーンありPCゲー、たまにコンシューマに移植されるが 私の性癖の方向性を決定づけた

          祝詞を謳う。『大正メビウスライン大全』レビュー

          その目は視ている。『ふるやモノノ怪』感想

          リアルで10年以上親しくさせていただいている漫画家ラクトいちごさんの漫画『ふるやモノノ怪』一巻が、ついこの間発売された。 脳直かつ散文的にしか感想を書けないので少し悩んだものの、せっかくなのでご本人にメールで感想や考察を送ってみた。すると予想以上に喜ばれ、noteへの掲載OKをもらえた。 感想文の箇所がいきなりいい加減な敬語になっているのはそういうわけである。ほとんど原文ママ。 当たり前だが内容を知っていることを前提に書いているので、気になった方は先に購入してから読んでいただ

          その目は視ている。『ふるやモノノ怪』感想

          換骨奪胎ならざるもの。even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女レビュー

          はじめに。 これは一個人の思い込みに満ちた感想であって、事実とは異なる可能性が大いにある。 『テンペスト魔女』をかなり批判する文章になってしまったので、ファンは閲覧非推奨。 また『ファイアーエムブレム風花雪月』と『テンペスト魔女』のネタバレを大いに含むので、そちらにも注意して読んで頂ければ幸い。 公式略称『テンペスト魔女』は2022年に発売されたSwitchのDL専売乙女ゲーで、 ショートカットの女騎士主人公と悪魔的なビジュアルの謎の存在が並ぶイメージイラストが 非常に魅力

          換骨奪胎ならざるもの。even if TEMPEST 宵闇にかく語りき魔女レビュー

          女王の冠は重い。Reigns: Her Majestyレビュー

          SwitchでDL配信されているReigns: Kings & Queensが前々から気になっていたので、セールを機に購入した。 初代Reignsは中世の王として国を治めるが、続編のReigns: Her Majestyは名の通り女王が主人公をつとめている。 面白そうだと思って集中的にプレイし、どうにかエンディングを迎えた。しかし攻略サイトがごく限られており、細かいフラグを見落としてかなり無駄な足踏みを続けてしまったので、感想兼備考録としてあれこれ書き残しておく。ネタバレばか

          女王の冠は重い。Reigns: Her Majestyレビュー

          pink、少女はワニを手に入れる

          岡崎京子の漫画作品のなかで一位、二位を争うほど印象的だったのが『pink』だ。 主人公は都会で暮らすOLのユミ。自宅で巨大なワニを飼っていて、飼育費用を捻出するためにホテトル嬢としても働いている。 ユミは嫌な客に嫌悪感を抱きはしても、性風俗でお金を稼ぐこと自体には抵抗を感じていない。昼の仕事だけでは足りず、身体を売った方が手っ取り早いからそうしている。 働いたぶんペットを養える。好きなものを好きなだけ買える。欲しいものができた時、我慢しなくて良い日々はユミにとってストレスフリ

          pink、少女はワニを手に入れる

          モラハラマザコン野郎と半年過ごしたエッセイ

           2022年某日、幸せになるために結婚しました。しかしまともだと信じていた相手はモラハラのマザコン野郎でした。その家族も共感性のない奴ら揃いでした。一刻も早く忘れるために半年間のエピソードを書き出していきます。  結婚を機に実家からマザコン野郎の家へ引っ越したが、マザコン野郎は月に3万円しか生活費をよこさなかった。  食費は主にマザコン野郎が出すつもりのようだが、結婚式の支払いだの引っ越し代だの保険料だの支払わなければならない金は山ほどあったので、もちろん足りない。  私は

          モラハラマザコン野郎と半年過ごしたエッセイ

          コミッション募集開始のお知らせ

          実生活が荒れに荒れて、なかなかここも更新できずにいました。すみません。友人に勧められてSkebを始めてみることにしました。 https://skeb.jp/@sakamoto_miyabi 詳細な情報をいただければ、オリジナル/二次創作小説、コラム問わず広く書かせて頂きます。 よろしくお願いします。

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          FILM REDにアルトネリコを見出す話(※ネタバレ感想)

          ワンピース92巻まで無料開放キャンペーン中に必死に読みふけり、満を持して映画FILM REDを観に行った。 気合の入った映像美のみならず、ウタのMVやウタ日記などをふまえると一層意味が深くなるシナリオに圧倒されたが、 私が最も心動かされたのはウタが「歌の力で人の魂を抽出し自身が築いた理想郷に送り、永遠の停滞をもたらそうとするヒロイン兼ラスボス」であったことだ。 このヒロイン像は私の心の奥深くに未だ刺さり続けたままのアルトネリコシリーズ(特に2)を彷彿とさせ、とても興奮した。

          FILM REDにアルトネリコを見出す話(※ネタバレ感想)

          「悪役令嬢の中の人」個人的感想〜ざまぁ、スカッとの程度とギロチン送りの人道性〜

          Twitterで「悪役令嬢の中の人」というラノベのコミカライズがいいね、RTの波の中から回ってきた。絵柄が美しく話運びも丁寧だったのでpixivコミックで少しずつ読み始めた。 一巻を電子書籍で購入した流れで、なろうで掲載されている原作小説を読みに行ったら予想外の展開が繰り広げられていた。 あまりに衝撃的すぎたので、自分の頭を整理するための文章を書かざるを得なかった。 簡潔にあらすじというか、結末まで書くので読んでない方はネタバレ注意。 架空のスマホ乙女ゲームの悪役令嬢レミリ

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          推し列伝1『ファイアーエムブレムif』イザナ

          私が二次創作活動を始めるきっかけになったのは『ファイアーエムブレムif』のキャラクター、イザナだ。 中立国イズモ公国の公王であり、神祖竜の末裔で予知の力を持つ。白金色の長髪に細面かつ糸目で神々しい雰囲気だが言動は軽く、だいたい語尾に「〜」がついている。 『if』自体はキャラクター人気が高く結構売れたゲームだがイザナはストーリー上1シーンしか出番がなく、拠点のレベルアップによって出現する隠し仲間ユニットで、かなり知名度が低い。「そんなキャラもいたな」程度である。 しかしDLC

          推し列伝1『ファイアーエムブレムif』イザナ

          大腸内視鏡検査でしんどすぎた話

          キリキリとした腹痛に長く悩まされ、原因を探るべく胃カメラを行なったものの異常なし。胃腸を確かめる次の手として大腸内視鏡検査を行った。 前日の昼と夕方に検査用専用食(おかゆ)を食べて悠長に構えていたが、いざ早朝病院に行くと始まったのは拷問であった。 大腸をカメラで見て調べるためには当然、大腸を洗浄しなければならない。胃腸に吸収されない専用下剤を最低1.5ℓ飲まなければならない。 薄甘くてポカリに似ているのに、どこかマズさがあり不快感の湧く下剤を125mlずつ10分かけて飲んで

          大腸内視鏡検査でしんどすぎた話

          カラクリオデット、人間を模した人型を考える

          アニメ化した『神様はじめました』は有名だが、個人的には同作者のデビュー作『カラクリオデット』を推している。 10年以上前、地元のTSUTAYA的なレンタルショップで1巻のみ借りて読み、4話がーー正確に言うと4話に登場するアーシアというキャラクターが強く印象に残った。 このキャラがもう一度出てくるかと期待して、つい最近、電子書籍で全巻まとめて買って読んだほどだ。 しかし結果から言うと、彼女は最後まで再登場しなかった。 あの時代にこの切り口は珍しかったのに見られず残念だと思い、正

          カラクリオデット、人間を模した人型を考える