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本の紹介 | 『売上を、減らそう』中村朱美 | 売り上げ至上主義に対するアンチテーゼ


長久手市の行政書士、酒井洋一です。

普段は相続・遺言のお手伝いや不動産のお仕事をしています。

noteでは、専門的なコラムや僕が普段考えていること、趣味のことなどを綴っています。



『売上を、減らそう』 / 中村朱美

僕は売上至上主義が苦手です。

そんなのは単なる逃げだと言われるかもしれないけど、どこまでも規模を拡大し売上を高め続けることに意義が感じられないのです。
そういう仕組みに違和感が拭えません。

小さな頃から競争が苦手でしたし、もともとそういう気質があったのは間違いないんですが、それが言葉として体感として形になったのがイタリア旅行でした。
旅先で出会ったイタリアの人たちはみな楽しそうで、良い意味でテキトー。
こんなんでも案外やっていけるんだな〜と(褒めてます)。
そんな自由なイタリア人たちを見て、こう思ったわけです。

「自分はなぜこんなにも『自分の人生を謳歌していない』んだろう?」

何かを捨てることで、得られるものがある。
中村さんが経営する「佰食屋」ではランチ営業のみで1日100食限定。
一見、夜まで長く開けておいた方が売上が上がりそうな気がしますが、夜営業を思い切って捨てることで活路が見えてきます。
来るか分からない客のために人件費やフードロスを生んでいたところ、昼のみにすることでコストを確実にカットし、その分を原価率に上乗せすることで高品質な素材で提供することが可能に。
また確実に帰宅できるため従業員のモチベーションアップのほか、多様な働き方ニーズに応えることができたといいます。
100食限定と敢えて制限を設けることで、やるべきことが明確になり、結果的に最大限のパフォーマンスを引き出すことにも成功しています。
これは売上至上主義に対するひとつのアンチテーゼであり、成功例だと思います。

また昨今の多様な働き方に対するひとつの解でもあるのかなと。
実際に従業員の方は仕事終わりに趣味に打ち込んだりと、人生をより豊かにするだけの時間的・精神的余裕が生まれているようです。
それに決まった内容の仕事が多いため、働きにくさを感じている人や外国人の方、高齢の方にも働きやすい環境のようですね。


ただ、本書が書かれたのはコロナ禍前。
コロナ禍で飲食店が理不尽に槍玉に挙げられたのは皆さんも記憶していることと思います。
その流れの中で残念ながら閉店された店舗もあり、2023年現在は本店のみでの営業とされているようです。

この本店。
実は僕にとってはとても縁のある場所だったりします。
それなのにまだ一度も食べに行けていない・・・。
車で2時間もかからず行けるので、まずは食べに行かないと!・・・と思う次第であります。

売上も追いつつ、人間らしい人生を謳歌する。
これは今の自分のテーマでもあります。
こういう働き方、考え方があってもいいよね、と希望を持てる本でした。



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酒井洋一|行政書士
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