ドラマ「正直不動産」第5話を、不動産業界の中の人が見た実際のところ
NHKのドラマ正直不動産、第5話は欠陥住宅。
それでは今回も業界人として正直に語ってみましょう。
またしても私、嘘がつけませんので。
これまで色々な欠陥住宅というか不具合の出てきた中古物件を見てきました。
例えば傾きがある物件。建物自体の歪みから傾いてきているものもあれば、地盤から傾いてしまっている物件まで様々です。
雨漏りなんてのもよくあるし、設備の故障もよくある話です。
これまで取引した不動産業者は皆さん、不具合を隠すこともなくむしろ初めに教えてくれて、それを踏まえた上で検討できるかの確認をされる方がほとんどでした。私の運がいいのでしょうか・・・?
いやいや、皆さんマジメにお仕事されてるということだと思います!
・・・そういえば一度、内覧した上でお客様も気に入られたので購入申し込みをしようとしたところ「その部屋、人が亡くなってますが大丈夫ですか?」と訊いてきた不誠実な業者がいましたっけ・・・。
そんな大事なことは内覧前に言えよ!って話です。
そもそも事故物件には立ち入りたくないお客様だっているのに・・・。
しかし欠陥住宅を隠して売っても良いことなんてないんですよね・・・。
騙して売ってもリスクしかありませんし、不具合をちゃんと直して保証を付けた方がリスクも小さい上に高値で売れると思うのは私だけでしょうか?
今回ドラマに出てきたインスペクション(建物状況調査)というのは建物の現況がどうなっているかの目視点検が主です。
近年、制度は整備されたものの積極的な活用までは至っていない感じがします。少なくとも私の地方では。
このインスペクションは買主負担で行うこともできますので、どうしても欲しい中古物件になにか不安があるなら依頼するのも良いと思います。
なお引き渡しを受けるまでは売主の所有物であるため売主はインスペクションを拒否することもできますが、拒否されるような物件はそもそも買わない方が無難です。
あと、依頼してから検査&結果が出るまで3週間くらいかかるので、その間に他の人に購入されてしまうこともあります。
購入者の中には「そんな細かいこと気にしないよ、中古なんだから」という人もいます。
売主との交渉次第かと思いますが、基本的には検査中だからといって取り置きしてくれるわけではないのでご留意を。
ドラマのように欠陥住宅を売りつける業者は論外ですが、最終的に自分が納得できるラインを見極めておく、というのも中古住宅購入のポイントではないでしょうか。
欠陥までいかなくとも傷や汚れはつきものですし、全てを気にし始めたらキリがありません。
傷や汚れの程度と価格とのバランス、希望条件とのマッチング具合、優先する条件などを予め夫婦で話し合って決めておくのが良いと思います。
そこに住むあなたが納得して暮らせるような物件を選んでくださいね。
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