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【那須・日光の旅】わいわいドライブと、ピラミッド温泉 その1

 仲よしの、文芸社文庫NEOの作家さんたちで、那須へ!
 月森乙さん、位ノ花薫さん(かお)、そしてわたしの3人。

 どこへ行こうかと、事前にわいわい話し合っていたけれど、
「那須にはピラミッド温泉なんてものがあってね……」
 かおが提案してくれた場所に、全員が喰いついた。

 正式には〔ピラミッド元氣温泉〕というそれは、まさしくピラミッドの形をしている温泉で、入り口にはスフィンクスが鎮座している。
 みんな……こういう面白そうなものに飛びつくんだから……。

 那須は見るところも食べるところもいっぱいあるから、ピラミッド温泉以外はほぼノープランで出発。
 道中は、途中のコンビニで買い出ししたお菓子や飲み物で、わいわい賑やかにドライブ。
 ウニ味のおかき、かりかり梅、チョコレート、ポテトチップス、などなど。

 後部座席のかおが、お菓子奉行を担当してくれて、
「おかきちょうだい」
「チョコ欲しい」
 という要望に、つぎつぎと応えていってくれる。

 那須で観光客を吸い込む〔お菓子の城〕では、ガラス越しに生産されてゆく、名物の「御用邸の月」がラインを流れてゆく様子を見物しつつ、いろんなお菓子をおみやげに買ってゆく。

次々と生産されてゆく、銘菓〔御用邸の月〕

 お昼ご飯をどうするかで話し合い、
「和食系がよき」
 との月森さんの意見を重視し、ささっと検索。
 ……と思って車を走らせていると、
「あ、蕎麦!」
「蕎麦を食べたい!」
 途中で見かけた蕎麦屋さんに予定変更。
 こういう、無軌道で無計画な柔軟性が楽しい。

古民家的な雰囲気

 風情のある店内で、3人がそれぞれに選んだ、まいたけ天蕎麦。
 全員の一致を見た。
 こういう山の中では、やはり山菜系を食べたいものだしね。
 東京の洗練された更科とは違う、山の中のお店ならではの、太打ち蕎麦。
 まいたけも大きなものが2つ、ごろりとてんこ盛りになって、存在感を放っている。
 まったくケチケチしていない。

ででーんとまいたけ天ぷら
冷やし蕎麦も、まいたけがででーんと鎮座

ピラミッド温泉
エジプトの神様が鎮座
エジプトなら駱駝がいても不思議じゃないよね

 ピラミッド温泉は、実に空いていた。
 冬場ともなると、那須は雪が散らつくし、オフシーズンということなのだろうと思う。

案内図を見るだけで、すでにわくわくできる


 細い廊下を渡った先に、宝石風呂というものがあって、大浴場の前に様子を見に行ったものの、
「宝石だ……きらきらしている……でもきっと、宝石のようにキラキラした心の持ち主じゃないと、お湯が見えない仕様になっているに違いない」
 こぢんまりしたそのお風呂、わたしの目には、空っぽのように映った。
 キラキラしていない、どんよりした心の持ち主は入れないのだろう。
「あれぇ、お客さんたち、こっちのお風呂はやってないのよー、ごめんねえ」
 背後から忍び寄ってきた従業員のおばちゃんに、謝られてしまった。

一見からっぽに見える宝石風呂。
心がキラキラした人にしか見えないお湯が張ってあるにちがいない!

 廊下やロビーには、なんというか……オーナーが気持ちの赴くままに集めた面白いオブジェが並んでいる。
 わたしは、なんとな〜く、マインクラフト的な雰囲気を感じた。
 家を建てたり家具を配置したりするタイプのゲームだ。
 ああいうのは、面白い家具を節操なく置きたくなってしまうので、作った家の中がカオスになりがちだ。

ほら、エジプトも中国も、シルクロードでつながってるし、違和感ないよね!

 全体的にはエジプトなのに、たまーに、中国的な天女や仏や神様の像が置いてあったりする。
 カオスで、好き。
 こういう内装センスに、うちら3人はきゃっきゃと喜ぶのだ。

 ついに大浴場へ。
 わたし達の他に、お客さんは存在しない。
 隣の男湯から、かすかに話し声が聴こえてくるのみ。
 仕切りによって温度の違いを設けた大浴槽、ミストサウナ、そして露天風呂。
 天女だか菩薩だかの像が鎮座するそのお風呂へ、いざ突撃!

 次回へつづく…… →【那須・日光の旅】わいわいドライブと、ピラミッド温泉 その2


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