坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさぎ!』刊行。文芸社文庫NEO小説大賞の優秀賞をいただいた、剣術の部活青春小説。

坂井のどか

旅先の出来事とか、好きな美味とかを好きに書き散らしとく。 2024年1月『もののふうさぎ!』刊行。文芸社文庫NEO小説大賞の優秀賞をいただいた、剣術の部活青春小説。

マガジン

  • 信州上田の旅と美味

    長野県上田を愛してやまない。温泉、蕎麦、その他上田の魅力を語り放題語りまくる。

  • 青森をめぐり味わう

    青森のあれやこれやを味わいまくる。でも実質は好きな小説の聖地巡礼。

  • 中国放浪の旅

    バックパッカーとして中国のあちこちをふらふら旅した時の記録。

  • 【ベトナム】旅と美味美味

    ベトナムの美味と旅の思い出

  • 【沖縄】旅と美味美味

    沖縄で出会った美味美味。我が生涯最高のステーキ、ジンベエザメ先輩へのあこがれ、もずくの天ぷら、抱腹絶倒のハブ博物公園!

最近の記事

【信州上田】大雨の上田と真田氏発祥の地

 信州上田は、晴れ率が高い。  ……はずだったんだけどねえ。  さすがに全国的な台風にはかなわなかったらしい……。  満ち足りた一泊を過ごした別所温泉〔上松や〕さんを出て、土砂降りの中で車を走らせる。  両親には、あらかじめ上田めぐりの候補地をあげておいたけど、 「無言館に興味がある」  母の希望により、車のハンドルを右へきった。 〔無言館〕は、戦争によりその芽を摘み取られた若き画家たちの遺作を集めた場所だ。  あんな戦争さえなければ、将来は画壇で大いに活躍していたはずの

    • 【信州上田】2024秋の信州旅その2 別所温泉・上松やの、ご飯うまうま朝食

       圧倒的な晴れ率を誇る上田も、さすがに台風となると、土砂降り不可避だった……。  朝の5時に起床し、母と大浴場へ。  露天には、六文銭をあしらった赤備えの壺湯があるのだが、あまりの雨に断念。  本来は、この壺湯のすぐ脇に生えた柿の木を見上げながら、風景を楽しみたかったけれど。  特にこの季節は、頭上に実る柿の実が、よき風情を醸してくれるのだ。  それでも、じっくりゆったり母ととりとめもなくおしゃべりをし、かつ、お風呂の脇に鎮座する素朴な河童の像を眺め、ほっこりした気持ちに

      • 【信州上田】2024秋の信州旅その1 別所温泉・上松やの絶品料理

         デビュー作で得た収入で、両親を長野県の上田旅行へご招待!  ただし、来年に出る予定の次回作の取材も兼ねるので、全部経費扱い!  ちょっとケチくさい気もしないでもないけど。 ◯  友達の誰を連れて行っても評判がよい〔別所温泉・上松や〕さん。  ここしばらくは、小説のことで大忙しで、お金も乏しいし、時間もとれないしで、行けないでいた。  またあの温泉や食事を堪能できるとなると、うきうきしないではいられない。  両親にも、おもいっきり楽しんでほしい。  えーと。  これか

        • 今週はさぼると決意

          小説かくのが忙しいので、今週の「旅と美味美味」はさぼると決めました。

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        • 信州上田の旅と美味
          11本
        • 青森をめぐり味わう
          5本
        • 中国放浪の旅
          9本
        • 【ベトナム】旅と美味美味
          6本
        • 【沖縄】旅と美味美味
          6本
        • シルクロードと美味美味
          19本

        記事

          【神保町】三幸園 長安の宴と日本の町中華

           現在、飯田橋の日中友好会館で〔長安・夜の宴 唐王朝の衣食住展〕という展覧会を開催している。  12月1日までなので、たっぷり一ヶ月半くらい残っている。  その中で、唐の時代の楽器で演奏会をやるというので、千葉ともこ先生から誘っていただいた。  わたしにとって憧れの作家で、まるで妹みたいにわたしのことを可愛がってくれている。  唐の時代を中心に、重厚で壮大な歴史小説を執筆されている作家さん。  しかも品の良い美人とあれば、憧れないではいられない。  その背中を追うべく、わた

          【神保町】三幸園 長安の宴と日本の町中華

          【日光】間近でながめる竜頭の滝と、湯ノ湖の足湯

           華厳の滝は、想像力をMAXにしないと視ることが叶わなかったけれど……。  前回の記事はこちら→ 【日光】霧雨に隠れる華厳の滝と、ふんわり優しいゆば丼  竜頭の滝は、実に鮮明で豪華だった。 (この滝の存在を思い出せて、よかった……)  華厳の滝の代わりに、どうぞご堪能ください、と両親へ念を飛ばしておく。  岩をスライダーのように滑り落ちる滝をながめつつ、のんびりお茶をする。 (そういや、雲南省の大理ってとこで、うっかり足を滑らせて、滝から滑り落ちたことあったっけ……あれは

          【日光】間近でながめる竜頭の滝と、湯ノ湖の足湯

          【日光】霧雨に隠れる華厳の滝と、ふんわり優しいゆば丼

           両親が、北関東へやって来た。  日光旅行したいというので、案内役をした。  お天気アプリでは、曇りのはずなんだけど、現地は霧雨にけむっている。  そんな中で華厳の滝を見に行ったのだけど……。 「音だけはすごいね」 「想像力が掻き立てられて、いいね」  普通の雨なら、まだよかったと思う。  霧雨は細かすぎて、ほぼ霧である。  乳白色の帷に隠されて、まったく見えやしない。  そんなわたし達の横をすり抜けていった子供が、親へ向かって元気に言っていた。 「下に降りたら、ます

          【日光】霧雨に隠れる華厳の滝と、ふんわり優しいゆば丼

          【富山】まるたかやのラーメン、再び

           前回、富山からの帰りの直前に寄った〔まるたかや〕のラーメンが絶品だった、というお話をした。  なんと、つてよにり、そのラーメンを入手!  持ち帰りラーメンがあるということで、親切な人がくれたのだ。  ただし通常のラーメンのみで、わたしが食べたブラックラーメンはないそうだけど。  てなことで、実食!  手鍋にお湯を沸かし、スープ、チャーシュー、ラード、メンマを放り入れて、熱々に温める。  大盛りじゃないのが残念だけど、そこは、ライスで補う!  出来上がってみると……嗚呼、

          【富山】まるたかやのラーメン、再び

          【富山】ブラックラーメンの強烈なコクとしょっぱさ

           大岩山の清らかなそうめんを堪能した、その日の夕方。  北関東の我が家へ向けて帰る、その前に。 「今のうちに、ちょっと早いけど夕食は済ませておこうよ」 「そうだね、高速に乗ったら、サービスエリアの割高なご飯しかないしね」  家族との話し合いで、どこか適当なお店へ入ることになった。  が……。  土地勘がないせいで、どこがよいのか、さっぱりわからない。  でも、わからない以上は、どこへ入っても同じだし、あとは運まかせである。  そうして選んだのが〔まるたかや〕というラーメン

          【富山】ブラックラーメンの強烈なコクとしょっぱさ

          【富山】大岩山の清らかなそうめん その2 おおかみこどもの雨と雪ロケ地

           前回までのあらすじ  大岩山ってとこで、清らかなそうめんを食べたよ! →その1  滝行もできたし、おいしいそうめんも食べた。  でもそれだけで終わらせるつもりはない。  清流のあるところ、美味しい川魚もあり。  ついに焼きたての岩魚が登場。  川魚の塩焼きは、雛見沢(一般的には白川郷とも言う)の民宿でたべたヤマメ以来だ。 (→【白川郷】 聖地巡礼・雛見沢紀行(四) 骨まで食べ尽くせるヤマメ)  川魚特有の香りを鼻腔に満たし、骨に残った身も余さず食べる。  誰かに教わ

          【富山】大岩山の清らかなそうめん その2 おおかみこどもの雨と雪ロケ地

          【富山】大岩山の清らかなそうめん その1

           夏のひと時、人から「遊びにおいでよ」と誘われて、富山県へ行ってみた。日本海側にある、北陸地方だ。 「大岩山のそうめんを食べに行こうよ」  と誘われるままに、一路、山道へ。  大岩山は、とても水が豊富な場所で……というより、富山全体が水に潤う土地だけど、ここはとくに清冽な水に溢れている。  大岩山は不動尊を祀っている寺院で、線香と蝋燭の香りがただよい、本尊の中には、巨岩に刻まれた不動明王が鎮座していて、圧倒的迫力を放っている。  本堂の脇には七つの細い滝が流れ落ちていて、

          【富山】大岩山の清らかなそうめん その1

          【横浜】巨大恐竜展と中華串(鴨頭の串焼きとか)

           巨大恐竜展へ行ってきたよ。  友達に、美術館や博物館めぐりが好きな子がいて、 「今度いっしょに、どこか行こうよ」  と話が盛り上がった時、ちょうど二人で行ける企画展覧か「巨大恐竜展」だったのだ。  や、見応えあった!  長い地球の歴史の中で、おそらく恐竜の数は全時代をあわせて、何億匹もいたとおもう。  その中で骨が残って、発掘により人類の前に姿をあらわすって、とんでもない確率だよね。 「わたし達も、ずっと遠い未来で発掘されたら、こんな風に展示されるのかなあ」 「その時は、

          【横浜】巨大恐竜展と中華串(鴨頭の串焼きとか)

          【富山】養蜂場のパンケーキ 大場養蜂園cafe38

           養蜂場のパンケーキ、と聞けば、まっさきに期待するのがハチミツ。  もちろん、天然ハチミツだ。  仲良し三人組で「美味しいパンケーキを食べたい」という話題になった翌日、じっくり吟味した上で選んだのが、〔大場養蜂園cafe38〕だった。  店内は綺麗でオシャレ。 「パンケーキを食べに来たつもりだけど……まずい、超強力ライバルに、意志がゆらぎそう!」  そう苦悩するわたしの視界には、メニューの上の限定メニュー「桃とソフトクリーム」という文字が、燦然と光を放っていたのだ。  でも

          【富山】養蜂場のパンケーキ 大場養蜂園cafe38

          【上田】ジビエの鹿肉 マルコポーロ

           何度も訪問しまくり、20回を超えたあたりで数えるのをやめた、長野県上田市。  次に上田へ行くのなら、ジビエの鹿肉を食べさせてくれる〔マルコポーロ〕を訪れよう、と心に決めていた。  信州といえば馬肉が有名だけど、猟師さんが獲った鹿肉まで食べることができるとは……。  今度の上田訪問は、いちおうお仕事。  別所温泉駅まで上田電鉄で行ってみたり(はじめて乗った)、いつも行きそびれていた足湯を堪能してみたり、北向観音さまの境内から改めて上田市街を一望してみたり。  その他、上田

          【上田】ジビエの鹿肉 マルコポーロ

          【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

           世間には「バケツプリン」なるものが存在する。  けど、買うと高い。  なので、コストパフォーマンスを重視してみた結果、こう考えた。 「そうだ、業務用スーパーでプリンの素を買って、自分で作ろう!」  ところがいざ購入してみると、値段が思いのほか高かった……  バケツプリンはおよそ1500円。  業務用スーパーにあったプリンの素は、2500円。  しかし、わたしは脳内で高速に損得勘定をはじきだした。 「こっちのプリンの素なら、もっとたくさん作れる。バケツプリン3回か4回分くら

          【作ってみよう!】でかプリン・抹茶味

          【なまずの天ぷら】川魚料理・林屋 たんぱくで上品な味わい

           なまずは生臭そうだし泥臭そう。  もしそんなイメージを持っているなら、ぜひとも実食してほしい。  そして感動してほしい!  余計なお世話って気がすごくするけど、わたしは実際に食べて、そして考えを改めた!  群馬県、板倉町にある雷電神社のおひざもと。 〔川魚料理・林屋〕という古びた食堂では、その「なまずの天ぷら」を食べさせてくれるのだ。  雷電神社の鳥居のすぐ脇にある、田舎の風情ただようお店で、まったく気取る気配もないたたずまいに、期待が高まる。  結論から言うと、とても淡

          【なまずの天ぷら】川魚料理・林屋 たんぱくで上品な味わい