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イベントレポート「森見登美彦氏、京都国立博物館で語る」

2019年2月3日に開催された
森見登美彦氏と羽田聡氏との対談イベント
「森見登美彦氏、京都国立博物館で語る」

登美彦氏から目が離せなかったので手元を見ずに記した悪筆を通り越して暗号じみているメモ帳と格闘しながら記憶を頼りに解読したものを後日Twitterに連投しました。

当時のツイートに加えて、発売直後のため隠していた部分を追加記述しています。

⚠️実際の語調とは異なります。
⚠️誤っている部分もあるかもしれません。


羽田氏の「活字アレルギー」発言に食いぎみで「それは良くない!」とツッコム登美彦氏。

なんだかオモチロい対談になりそうな気配。

緊張により震える手で撮影
ややぶれみ登美彦氏


レゴが好きなお子さまであった登美彦氏。

「小学校3年生で物語ることに目覚める前は、(将来は)ロボットをつくるのだと思っていた」

電車の運転士なんて道もあったかも? 


ご母堂が本を好まれ、子どもに本を書かせるのがお好きであったそう。登美彦氏が物語を創るのに興味があるとわかれば応援し、原稿用紙を買い与えられた。

当時の原稿は現存するが公開はないと。

「恥ずかしすぎるので」と照れる登美彦氏。 


「『ぐるぐる案内』に少し書かれているだけで森見作品に登場しない…京博のことはあまり好きでない?」と羽田氏。

京都国立博物館

「寿司の配達で裏を通ったことはあるけれど…」と困ってしまう登美彦氏。

「展覧会には来たことがあるけれど、自分の行動範囲ではない。自分の日常的に動き回る範囲で書いてしまう。読者はよく知っているけれど、大学周辺から烏丸へ、自分の引越しに伴い小説の舞台が移動する」

「京博付近が次の引越し候補地にならないのか」と追及され、また困ってしまう登美彦氏。


質問に熱が入り
「取り調べみたいになって」
と笑う羽田氏。
「ちょうどライトも取り調べ風」
と笑い返す登美彦氏。


スランプの1年ほど前の羽海野チカさんとの対談で「作家はボロボロにならないと」と言っていたのが羽田氏の記憶に残っていた。


「ネットで見て感動して。年をとってくると弱さを出したくない。それをあえてオープンにしている森見さんてステキだなと思ってしまっているんですけれど」

会場のあちこちで影が頷く。私も頷く。

「かくべき恥はさんざんかいてきたので。今さら偉そうな顔をしてもしょうがないかと」とまたもや照れた様子。


「どんどん執筆中のことを忘れる…いつも担当のひとに怒られて…考えていたはずなんですけれど…」

『熱帯』について聞かれ執筆中を懸命に思いだしながら答える登美彦氏。

「私たちは物語をどうとらえているのか。ひとにどうやって伝えているのか。物語はどういう働きをしているか。それを小説の中に入れた」

学者として謎は謎のままというのが耐えられない羽田氏に対して、登美彦氏は作家として否を唱える。

「魅力的な謎ができれば満足してしまう」

京都という舞台の優位性を語るが歴史等に詳しいわけではないと断言する登美彦氏。

「僕がいろいろやりたい事やしたい事があって、それに使いやすいのが京都。舞台として京都の街、空間が優れている」

学生時代、なかなか鴨川を渡らなかった登美彦氏。

「自分なりの土俵をジリジリ広げようとしている。『熱帯』では思いきって広げてみようと思い、できるだけ広げてみた」 

ナツメさんなどカタカナ名の人物がいるが意識的なものか。どうやって思いついたのか。など登場人物の名前が気になる羽田氏。

「まずカタカナで思いうかんで、後から名前か名字か決めていった」

だいたい語感で名前を思いつき、それからどのような人物か考えると。



森見作品の擬音が好きという羽田氏。

「読者に気に入ってくれている人もいるけれど、調子にのり過ぎずに思いついた時だけ使っている。内田百閒が夏目漱石を「うごうごしている」と書いていて、『うごうご』というのは初めての言葉で印象的で。そこから(独特の擬音を)使うようになった」


表紙の文面が本文と異なることについて。

「恥ずかしながら別バージョンです。田中さん撮影時にその時まで完成していた原稿なんです。2010年にカバーをとると佐山尚一の『熱帯』となるデザインは存在していて、いずれ本になったらこんなかたちにしたいと…まさか8年かかるとは笑」

「カバー外して悪寒がはしった」と羽田氏。
「良かったです」と笑う登美彦氏。

『熱帯』について語りだす羽田氏に待ったをかける。「いや!あまりいぢくらないほうが!」自分の中でこの人はこの位置づけと確定していることはあるけれどぼやかすと。

《虎》は《小説家に小説を書かせる力》というイメージと登美彦氏。

「小説を書いている時は、それで頭がいっぱいになっている。同伴者がいてそいつと一緒にやっている感じ。書き終えたらどこかへ行ってしまう」


トラりん襲来!

竹林の魅力について語って欲しいリン!

「えーとですね…竹林の魅力…別の世界へ通じている…好奇心をそそられる風景が好きなんですけれど…好きなんですネッ!」 


糺の森に住むトラの話を書いてほしいリン!

「糺の森に住む狸の話なら書いたことがあるんですけれど…そこに虎を出すと狸がかわいそうだから…その狸、虎には化けるんですけどね。それで大目にみてほしい…」

(トラりん敬礼!登美彦氏も敬礼!) 


全作品の著作権をください

「妻に怒られますので笑」

トラりんとハグ&バイバイする登美彦氏。
この直後、物凄い勢いでトラりんにほっぺたを挟まれ揉まれる羽田氏。

「いやもう嵐のようにきて嵐のように去る」と笑う登美彦氏 。

「作品中に吉田神社の節分祭が出てくるよね」と羽田氏。

「京都の祭は印象的。奈良の郊外には昔からの祭がなかった。節分祭、祇園祭、下鴨神社の祭、日常的に過ごしている中で祭が始まる。印象が強かった。特別なことが起こる。自分たちの日常に亀裂が入る」と登美彦氏。

これから羽田氏の講義が始まる。 

神話について、幼少期にご母堂から自宅のまわりをブラブラしながら聞いた覚えしかないと逃げたそうな登美彦氏。現存する最古の日本書記には興味がある様子。

羽田氏「ご覧になってどうですか?」

登美彦氏「読みにくそうです」 

下鴨神社の古地図と現在を比べ、羽田氏の用意した疑問点をフェイントしちゃった登美彦氏。

「ちょっとボーッとしてきました」

「大変おもしろく聞かせていただきました。トラりんも可愛かったですし。アグレッシブで」

以上、解読した対談イベントの内容でした。


対談後に会場で『熱帯』を購入したら森見先生に壇上で判子を貰えると言われまして、こんな事になってしまいました。

サイン本は何冊あっても良い


本当に楽しかった。

翌週は国立民族博物館にも赴きました。

続報をお待ちください。

#森見登美彦
#熱帯
#対談イベント
#京都国立博物館  

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