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手毬唄を聴きながら

ヘロヘロQカムパニーの舞台「悪魔の手毬唄」を観に行った。

公演後に撮影

私は生の舞台というものを学校行事でしか観たことが無く、自発的に行くというのは今回が初めて。
その最初がなぜこの舞台かというと、前々からヘロヘロQカムパニーの横溝作品は完成度が高いということを聞いていたからだ。
私は金田一耕助シリーズが好きで、最初に観たのが加藤シゲアキ版の「犬神家の一族」。
その後、原作や他の映像化作品などを観るようになり、どっぷりと嵌まったというわけで、その過程でこの劇団の公演のことを知った。
金田一シリーズというと、映像化などをされる際に内容の変更が大小あるという。
評価の高い石坂浩二版でもそうらしいのだが、この劇団の金田一はなるべく原作に沿った内容にしているという。
いつか見てみたいと思っている時、第41回公演が「悪魔の手毬唄」ということを知り、これは是非とも見たいと思った次第だ。

「悪魔の手毬唄」というとシゲアキ版でも放送をされており、最初に内容を知ったのもそれが最初。
シゲアキ版というと古来のファンからの評価はあまり高くないらしいのだが、私はそもそも最初に接したのがそれであったため、思い入れが深い。
また、金田一耕助の長編作品の中でも特に好きで、良いタイミングに巡り合えたと感じた。
この公演はWキャスト制で、私が行った日は名塚佳織さん、山本翔太さん、畠中祐さんが出演されており、畠中さんはこの日が最終日であった。

会場についてまず驚いたのが、売店に舞台の出演者の方がいらっしゃるということだ。
劇団に所属している置鮎龍太郎さんや岩崎諒太さんが商品を手渡しており、とても驚いた。
しかし、そういうイベントではないためなるべく驚きなどの感情を出さないように平静を装いながらマイクロファイバークロスと缶バッジを購入した。
席に着くと舞台上では鬼首村の地図が映し出されており、劇場版の歴代金田一作品の楽曲が流れている。
メジャーどころである石坂版の「犬神家の一族」のテーマである「愛のバラード」は勿論、西田敏行版の「悪魔が来りて笛を吹く」なども流れ開演していないのにテンションが上がった。
最後に流れた「病院坂の首縊りの家」が終わると開演となった。

ステッカーをどこに貼ろうか悩み中

生で観る舞台の迫力というものは想像を超えており、映像媒体とはまた違い登場人物がそこにいるかのような感覚だった。また、セットが回転をしたり視覚情報としてもとても新鮮だった。シゲアキ版や石坂版などを先行して見たからなのか、「この人ってこんなに雰囲気が柔らかいのか」など違いも楽しんだ。とある方が息子とその父の両方を演じていらっしゃったのだが、声優であるが故か声色がまるで違っており別人のように思えて仕方がなかった。心の底から観にきてよかったと思えた。

帰路につく頃にはすっかり舞台というものに魅了されていた。
次はどの事件が舞台になるのかとても楽しみだ。
個人的には「三つ首塔」などの比較的マイナーな物や「殺人鬼」などの短編作品も観てみたいものだ。


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