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「野火」

「野火」
監督:塚本晋也

この映画に若い人が詰めかけてると、
ニュースで見たのがそうですか、7年前なんですね。
今でも映画館でやってくれて有難い。
ずっとずっと繰り返し上映して下さい。

ところで最近、本を一生懸命読んでいます。
それと言うのも、アマプラにある #金子文子と朴烈 を途中まで観たら、
「ちょっとまて。この時代の、この社会の背景や用語を知らなすぎる。あと、関東大震災後の朝鮮人虐殺のこと、動揺した市民が…と思ってたのだけど、
この映画、民衆じゃなくて国の中枢が操ってるの本当?
ヤバすぎない?」
と思って途中でやめ、図書館に走ったのでした。
もう少し勉強してからじっくり観たいと。

何冊か戦争と歴史の本を借りました。
今読んでるのは子供でも読める様な本で、
日清、日露、太平洋戦争がどの様に始まり終わったのか、
という本。

昭和天皇や東條英機、ルーズベルトや蒋介石、チャーチル、スターリン…
そんな面々がどうしたこうしたと、
それぞれの思惑やすれ違いや苦悩などが書かれてるのだけど、

そこの話し合いに全く登場しないのが、
一般人の現実。

国と国との、開戦するか回避できるかの攻防の中で、
「今更引けない」「許すわけにはいかない」「もう止められない」「決まってしまったから辞められない」「民意を止められない」
そんな言葉が繰り返し語られます。

なんだか今も聴こえてくるような言葉ばかり。

誰々は止めたかった、誰々はやりたくなかったとも何度も書いてある、
でも命をかけてストップをかけなかった。
いかにお偉いさんであろうとも、
結局全員が忖度まみれの中間管理職状態じゃないか。
何を言っても、この現実を正当化することは出来ない。
それが戦争なんだと思いました。

あの開戦を回避出来ていたら、
結果日本は滅んだのかもしれないし、
どこかの完全なる植民地になり、
天皇は処刑されたのかもしれない。

でも!!!

勝てる見込みなど初めから無かった戦争、
国力を強くしたい、植民地を有して列強に並ばなくてはと躍起になった侵略、
金なし、食料なし、燃料なし、鉄もなし、プラン無し、
人権もなし、むしろお国のために死ねと言って放り出した、
その現実がこれなんだと。

貴重な戦争体験者の残したものを、
こうして繋いでゆく事の価値。

ハリウッド映画ではわからない。
朝ドラではわからない。
永遠の0ではわからない。
(でもNHKの映像記録作品なら少しわかりそう)

悲惨を通り越している。
でも確かに現実だったこと。
戦争の現実、人間の現実。

…どんな文を書いたってだめですよね。

この映画は今こそ観なくちゃいけないって、
きっとそうらしいと思って、長く見逃していたものをやっと観たのですが、
観に行ってよかった。

せめて8月くらい、
踏ん張って戦争のことを考えたい。
私8月うまれですから、
本当ならウキウキする月にずっとテレビとか戦争っぽいの、
子供の時からイヤでしたよ、
でも現実だから。逃げても追ってくる。
私達が人間であるかぎり、
逃げれば逃げるほど悪い形で追ってくるんだと思います。

塚本晋也監督が日本の映画監督なの誇りです。

#いだてん は熱心に観た割に詳細覚えてないけど、
塚本晋也が俳優として出ていた役、
とても良い役でした。ね、
野火を見逃してるけど、
野火を撮った人に本当に相応しい役だなぁ、
と目頭を熱くした覚えがあります。

塚本晋也と言えばなんと言っても #鉄男 ですよね!
当時すごく話題で、
観なきゃモグリみたいな圧まで感じたw(モグリって…)
あちこちでチラシやポスターを見ては、
こわ〜!絶対観れんわ!と思ってました💦
いつか観れるかなぁ☺️💦
#田口トモロヲ って言えばきっとあれなのに、
いつのまにかプロジェクトXの人になってて驚きでしたw
余談でした。

本ですが、
日本の民衆の暴力についての物も読んでます。
部落差別や、外国人差別、
「こわい」と思った相手に集団で襲撃した闇の歴史。

ウクライナの映像でもリアルに目にする、
人間が、一般人が残逆になる時について。
知りたくて。なぜなのか。自分もその状況に追いやられたらそうなるのか。

まさに野火はそういったことも突きつけて来ました。
こんなに戦争が身近なの、
生まれて初めてですね今。
そう思って。

#野火
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#大岡昇平
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#戦争反対#nowar#nohate

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