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なぜ「恋愛カウンセラー」と呼ばれることに抵抗があったのか。“心の健康”と“恋愛・パートナーシップ”について思うこと。

恋愛カウンセラー」って名乗ったら売れると思う。

独立してから、いろんな人の相談に乗っている中で、こんな風に言われることがよくあった。けど、なぜか納得できない自分がいた。

そんな中、

「これまで何人もの恋愛カウンセラーの人に相談してきたし、恋愛関係の本もたくさん読んできたけど、さかちゃんの話してくれるようなことは、どんな本にものってなかった。本当にすごいと思う。本当に多くの女性を救うと思う。」

こう力強く言ってくれる友人がいた。

1年ほど前に言われたこの言葉は、すごく自信になって、何度も思い出す言葉になった。


「恋愛カウンセラー」とは呼ばれたくないけれど、
「多くの女性を救う」という言葉は嬉しくて、自信になり、後押しされた。


何だか、すごく矛盾を感じていた。

なかなか要因が分からなかったこの矛盾の答えは、
「看護師」という仕事が好きで、大切にしているからなんだということが最近わかった。

「看護」の定義はWikipediaには、

看護(かんご、英: Nursing)は、個人や家族、地域社会が最大限の健康を取り戻し、できる限り質の高い生活ができることを目的とした支援的活動である。

こんな風に書いてあって、
「その人らしく生きる」をほんのちょっとだけ、心の面からサポート(支えたり、後押ししたり)したいと思って、今やっている活動は全て自分の中では「看護」だと思っている。

妻と晩酌しながら話していること

ぼくも妻も、看護師として病院で働いていたので、患者さんについて話し合うことがある。
夜な夜な、子どもを寝かしつけた後に、晩酌をしながら、

その人にとって

・大切にしていることは何だろう?
・何が好きなのかな?
・趣味は何だろう?
・家族関係はどうなのかな?
・パートナーとの関係はどうなのかな?
・どんな風に家で会話をしているのかな?
・休みの日はどうやって過ごすのかな?
・仕事は何してるのかな?
・仕事のやりがいって何なのかな?
・どうやって生きていきたいんだろうね?
・辛さを話せる人っているのかな?
・一緒に喜べる人はいるのかな?
・朝は何食べてるんだろうね
・何時に起きて何時に寝てるんだろうね
・辛い時にどんな対処してるんだろうね
・どんな本読んでるんだろうね
・どんなテレビ見てるんだろうね

こんなことを、あーでもない、こーでもないと言いながら話している。

結局は

その人に聞いてみないと分かんないよね。

こんな結論になる。
そうすると、次にこんな話になる。

・どんな風に話していくと、考えていることを話してくれるかな
・どんな風に感情を表出してもらうといいかな
・まだ関係性を築けてないから、どうやって関係性を築いていこうか
・今は自分より、あの人の方が関係性良さそうだから聞いてもらおうか
・あの本にこんなことが書いてあったよ
・前に聞いた講義でこんなこと言ってたよ

こんなことを、また、あーでもない、こーでもないと言いながら話している。

恋愛や夫婦関係、パートナーシップについても必ずと言っていいほど話題にのぼる。


パートナーシップについての本

妻は、がんの専門病院で働いていた。
これは妻が持っていた本(家族看護:がん患者の家族ケア,日本看護協会出版,2008)のあるページに書いてある3枚の図。

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パートナーシップ、性に関して、とても詳しく書いてあるように感じるけど、

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14項目の中の1つ「がん患者・家族のセクシャリティへの支援」についての項だけ抜粋したものだ。


ぼくは、精神科の専門病院で働いていた。
専門は精神看護という分野。
これはぼくが持っている本(現代の認知行動療法:CBTモデルの臨床実践,診断と治療社,2012)のあるページに書いてある2枚の図。

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男性の性的な傾向や、それに付随する問題に関してどんな風に関わっていくと良くなるかについて書かれているページがある。

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これも、12項目の中の1つ「性問題を解決する」についての項の中の一部だけを抜粋したものだ。


次の本は、医療者自身の心のケアが大事だよねっていう本(ケアする人も楽になる認知行動療法 入門1,医学書院2011)のあるページ。

ケアする人も

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看護師として働く中で、ストレスがいっぱいあり、その中8つのうちのの一つに

「付き合っている彼と生活時間が合わず、なかなか会えないどころか、電話で話す時間もあまりとれない」

というストレスがある。

このたくさんあるストレスを整理して、少しずつ解決に向かっていくための方略が書かれている本になっている。


これら3つの本に書かれているように、

「心の健康」の中には恋愛や夫婦関係、パートナーシップに関してはもちろん大項目に上がってくるほど重要だけれど、それだけではない。

という思いが自分の中では強くて、「恋愛カウンセラー」と呼ばれることは
「恋愛や夫婦関係、パートナーシップ」という側面だけを切り取られる感覚に違和感を覚えていたのだと思う。

仕事もプライベートも、健康も、どれもつながりだと思っているからだ。

そして、何より現場で働いている看護師の先輩たちは、患者さんの恋愛相談、夫婦関係の相談に、驚くほどうまくのって、本人たち同士が最善の選択を取れるように関わっている姿を見てきたから、自分なんてまだまだだという思いも強かったのだろう。


恋愛の専門家と呼ばれること

コミュニティ(コルクラボ)に参加している人が、気軽に「心の健康」について相談できるような保健室を作ろうと思い、

「心の保健室」という場を開いた。

看護の現場と同じように、いろんな相談をしてもらえた。

・仕事のキャリア
・仕事の人間関係
・夫婦関係
・恋愛相談
・コミュニケーション
・子育て
・自己肯定感
・睡眠状況


人によってぼくのことを

・「睡眠の専門家」と思う人もいれば
・「夫婦関係の専門家」と思う人もいたり
・「認知行動療法の専門家」と思う人もいたり
・「心理士」だと思う人もいた


独立してから、なかなかうまく自分の活動を紹介できなくて悩んでいて
コルクラボの主催をしているサディ(佐渡島さん)に肩書きで悩んでいることを相談した時に、

「カウンセラー」でしょ?

と言われ、まだ固まっていなかったので、しどろもどろになりながら、カウンセリングだけやってるわけではなく、コーチングとか、人生全般の相談に、、、
なんて答えていたら、

コーチングやってるなら、「コーチ」って名乗ったら?
人生全般って、「人生カウンセラー」とか名乗ったら、もっと怪しくない?

そんな風に言われ、確かに、、、となった。

肩書きについてまた深く考えるようになり、

多くの人と接する中で、相手が「カウンセラー」だと認識していることを否定して変えようとすることは自分勝手だということに気づいた。

自分は、「看護」の知識や経験を使って対話をしているからと言って、

「心の健康」を専門としている「看護師」として認識もらいたい

これは自分の思いなだけだ。

相手が「カウンセリング」を受けていたと感じて、癒されたり、楽になって、自分で進めるようになったと感じたりすることを否定する必要もなければ、そんな権利もない。

コーチメンターだと思ってもらえている人がいることもまた否定しなくてもいいはずだ。

だから、話している相手が「恋愛や夫婦関係、パートナーシップ」の専門家だと思ったり、「恋愛カウンセラー」だと思ったりするのは全て相手の自由なはずだ。

自分のやりたいことは、多くの人が楽になること、自分らしく生きられるためのきっかけになるようなことだ。
それならば、相手によって、相手の困りごとによって、何の専門家か変えられるのは、もしかしたら強みなのかもしれないと思えるようになった。

恋愛や夫婦関係、パートナーシップ関連の反響

実際に、いろんな相談にのる中で、恋愛や夫婦関係、パートナーシップに関する話題は多いし、
仕事の悩みかと思い、話を聞いていると、パートナーシップに関連する話になることも多い。

人が誰しも悩みやすいものだからだろう。
ぼくも毎日、妻とのことで揺れることばかりだ。

経済や経営を「看護」の視点から読み解く活動をNews Picksでやっていた。
以前、News Picksで反響が大きかったものをまとめたnoteがある。
その中でも、「恋愛や夫婦関係、パートナーシップ」に関しての反響を改めてまとめてみようと思う。


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「結婚したら自由が効かなくなる」かどうかについての記事にコメントした反響


あげ

あげ2

あげ3

あげ4

「あげまん」についての記事にコメントした反響


ぶり2

ぶり1

「ぶりっ子」についての記事にコメントした反響


高収入2

高収入1

「高収入の男性を落とす言葉」についての記事にコメントした反響


妻だけED

「妻にだけEDになってしまう男性」についての記事にコメントした反響


女性の本音

「女性の本音。結婚する時に重要だと思う男性の要素」の記事にコメントした反響


こんな風にNews Picksで「ヘルスケア」と「医療・介護のリアル」というカテゴリーのおすすめピッカーをさせてもらっていた時に、
あらゆるジャンルにコメントしていた中の「恋愛や夫婦関係、パートナーシップ」に関連した記事にコメントしたものへの反響をまとめてみました。

経済ニュースなのに、

恋愛カテゴリー

「気の使いすぎ」についての記事にコメントした反響
「恋愛カテゴリー」を設置して「PROピッカー」になってほしいという、ありがたい言葉までもらえたほどでした。

パートナーシップに関して学べる場が必要

精神科でいろんな患者さんのケアをする中で、多くの患者さんはパートナーシップ、大切な人との関係について困っていたのが実情だった。

医療の中での研究でも、先ほど例にあげた本のようにパートナーシップについて研究されたものは多くあるけど、実際に学ぶのは困ってからというのがほとんど。

パートナーシップについて学ぶ、学び合う場があるといいなとはずっと思っていました。

そんな時に、同じ看護師で、独立して様々な企業と事業を行ってる友人から声をかけられ、パートナーシップについて学ぶための事業をしてみないかと提案を受けた。

「恋愛カウンセラー」と呼ばれたくないという悩みがあったけど、
やろうとしていることは、「その人らしく生きる」を支えるという「看護」そのものだと思えるようになっていった。

事業の内容や経過、ミーティングの内容までここで公開してます


「恋愛や夫婦関係、パートナーシップ」についての事業は、あやしくなりがちだけど、そうじゃなく、エビデンスをもとにしながら、対話しながら「その人らしさ」を表現して生きていくことにつながる「看護」のような事業にしていけたらなと考えている。

「パートナーシップ」だけでなく、様々な分野に「看護」を活かしていく事業をしてくための、最初の小さいけど、大きな挑戦だと思っている。

少しずつnoteでその挑戦を書いていけたらなぁと思っています。


最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

とっても嬉しいです。

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SAKAMO | 坂本岳之
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