神の存在証明
以前、ある方の言葉で驚きました。
マジか( ̄▽ ̄;)
「私は無神論者です」
随分とおかしなことを言うもんだなぁ。この人はどうしてこうなったんだろう。
あはは~スビバセン。
ホントにそう思っちゃったんです。
⭐ ⭐ ⭐
30年、塾の講師やってます。結構、質問されました。先生、神さまっているの?
おやまぁ。なんてことだ。最近の親はそんなことも教えない。学校でもか──
初めは戸惑いました
私は新卒から5年、経営コンサル会社の営業です。教育業界の様子なんてわかりません。
どう説明したらいいのだろう。あれこれ考えちゃいました。懐かしいなぁ。
昨日も訊かれました。
帰国子女の高校生で、滞在先のご家庭が熱心なキリスト教徒だったそうです。
⭐ ⭐ ⭐
『あのさ。今キミ、消しゴムを使ったよね。もしも消しゴムを忘れたら、消しゴムがないって言えるでしょ。
消しゴムは人間が作ったものだし、消しゴムがどんなものであるか、きちんと説明できるから、消しゴムがないって言えるわけ。
だとすればね。神はいないって言い切れる人は、神がどんなものであるか知ってることになっちゃう。そうでしょ。
消しゴムを見たことがなくて、消しゴムはどんなものであるか知らない人だと、消しゴムがないって言えないもん。
神がどんなものか解っているなら、神はいるってことになるじゃん。なのに神はいないと言ったら矛盾してるよ』
⭐ ⭐ ⭐
これはまぁ小学生でも解ってくれます。神はいないという主張が、論理的に破綻していると理解できるのです。
昨日の高校生は私が古文を教えてますので、さらに物語の説明を続けました。
⭐ ⭐ ⭐
『大学入試の古文単語ではものとことを区別しているよね。覚えているかな。
ことは説明できる事件や言葉を表して、ものは説明できない超自然現象のことだね。
つまりものって神だよ。
竹取物語の時代から、私たちの祖先はものを語ってきたわけ。だから物語。
どうして語るか……よくわからないから。
消しゴムを語るってヘンでしょ。見れば解るもん。消しゴムって何。ほらコレってね。
神はわからないんだよ』
⭐ ⭐ ⭐
昨日は、ここで説明を止めました。
彼女の質問は逃避行動です。
受験の不安から逃れるために、神とは何かなんて尋ね、私を試しているのでしょう。
無意識です。悪気はありません。疑問を解消できる先生であってほしいのです。不安を乗り超えていく支えにしたいから……
⭐ ⭐ ⭐
どうやら納得したようでした。
表情は緩みます。一瞬、目を閉じてから頷きました。雰囲気が和らぎます。
その後はよく集中していました。
神がいるかいないかわからない。なら、安心して目の前へ意識を向けよう。そんな心境になったのかもしれません。
⭐ ⭐ ⭐
ここではもう少し続けましょう。
『神って漢字は分解すれば示すと申すだね。例えば雨が降る。天は示すのだよ。すると人が傘を差す。申すわけ。
つまり、自然に起こる現象すべて神なのさ。雨が降って傘も差さず濡れたら風邪ひくよ。この風邪も神なんだね。
だから日本の神って八百万いる。やおよろずって読むの。山に行けば山が神で海へ行けば海も神。世の中みんな神なのさ』