「ご機嫌なひと」
これは、葛藤を抱えながら就活している大学生と、東京で働くクリエイティブディレクターとのリアルな交換日記です。今の就活生が感じる心の揺らぎと、社会人からのさりげないエールをお楽しみください。
前回までの就活交換日記
就活はあまりせず、未来の自分を想像する時間が多かったという愛さん。これまではどこか「すごい自分」になろうと必死だったものの、今は身の回りのことをもっと面白くするためにどうしたらいいか、と思考をめぐらせています。
そんな愛さんに対し北さんは、想像することは現実へ近づくための一歩だと伝えます。一方で、ポジティブな想像ができるのは、生活にゆとりがあるからこそだ、とも。
#04の就活交換日記はこちらから。
今週は、学校の企業説明会に参加してきたという愛さんの日記から始まります。
登場人物
大学生の愛さん(仮)
地方文系大学に通う就活生。留学経験がある。ひょんなことから北さんと出会い、交換日記を始めることになった。様々な心の葛藤を抱えながらも等身大に就職活動を行おうと奮闘中。
クリエイティブディレクターの北さん
コピーライター歴、約20年。長年採用広報に携わってきた経験から、採用のクリエイティブをもっと面白くしていきたいという熱い思いを持っている。宣伝会議コピーライター養成講座で、求人広告クラスの講師も担当。
愛さんの今週の日記
「ご機嫌なひと」
【2020年12月某日】
一方通行の日記の中では出来事や感情を淡々と羅列するだけで味気なかったのですが、交換日記を通して誰かと自分の時間を共有することで自分の毎日に新しい気づきがあったり、前向きな気持ちになったりと良いことが多かったです。1人ですべて完璧にこなそうとしがちな自分にとって、「自分の力を過信しすぎず、誰かにそっと頼ること」を心に刻むことができたことはとても大きな収穫でした。
北さんの前回のエールの中に「生活にゆとりがあるからこそ、ポジティブな想像ができる」という言葉があり、まさにその通りだと思わず何度も頷いてしまいました。余裕があるからこそ、どんな状況でも面白がることができるし、満たされているからこそ、困っている誰かに何かを与えることができるかもしれない。優しくて頼りになる、お手本にしたいと思う大人の心にはいつも余白があるような気がします。そういう意味で、自分をご機嫌に保つことはいい大人であるための必要条件なのではないかと思います。
就活に関しては今週もあまり動きがなかったのですが...お金の基礎知識を学び始めました。仕事を通して自分の衣食住をどのように確保していくのか。自分がご機嫌でいられる未来を作っていくために今からどんな工夫が必要か、まだまだ探求が必要なようです。
北さんからの就活エール
「お金は付き合うものくらいの感覚で。」
今週も日記、ありがとう。早速、お金の勉強を始めたんだね。いいことだと思う。僕は結局、45歳になるまで、お金の勉強は実地でしかしてこなかったから、ちょっと後悔しています。「勉強になったなあ」と感じるときは、だいたい大きなお金を失ったあとばかりだったのでw
だから、やっぱり、お金の原理原則は若いうちに学んでおいたほうが良いと思います。ただ、お金というと金融資産のことだけ考えがちになると思うけど、時間資産や人脈資産、経験資産といったものも、人生ではお金以上に重要だったりするし、もっと言うと、若いうちは金融資産以上に蓄えるべきものだったりもします。そうしないと、結局、人生トータルで見たときに「あれ、お金しかない」と淋しくなったり、人生後半の収入や資産でさえ、「あれ、若い頃に遊び回っていたあの子より少ない」と嘆くことにもなりかねません。
そう思うと、お金って稼いだり、貯めたりするよりも、付き合うものくらいの感覚でいたほうが良い気もします。嫌われないようにすることは大切だけど、振り回されるような人生は虚しい。恋愛と同じで波があることを意識しながら、上手に長く付き合っていく方法を模索する感じかな。
うーん、なんだか、何のアドバイスをしているかわからなくなってきたので、今日はこの辺で。寒さがいっそう厳しくなってきたので、体調管理は怠らないようにねー。今週もがんばろう。
編集:家洞 李沙(Fanclub)
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