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漫画の感想

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2024年10月の記事一覧

髙橋ツトム「ブルーヘヴン」が凄く好きなのは、自分にとってコミュニケーションの話だからだ。

髙橋ツトム「ブルーヘヴン」が凄く好きなのは、自分にとってコミュニケーションの話だからだ。

※本記事には高橋ツトム「ブルーヘヴン」のネタバレがあります。

 連載していた時凄く好きだったので、超久しぶりに読んでみた。

 一読しただけだと、この話の何にこんなに引き込まれるのか、なぜこの話がそんなに好きなのか、自分でもよくわからない。
 パニックサスペンスは好きだが、「ブルーヘヴン」は展開が早すぎて、サスペンス要素を味わう暇がない。パニック部分も「タイタニック」のように力を入れて描かれてい

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「閉じられた共同体の論理」を構成するものは何か。そこから脱け出すにはどうしたらいいのか。

「特攻の島」は「人間魚雷・回天をめぐる物語」として読んでも面白いが、「強固な共同体の論理」からどうやって脱け出すかという観点で読んでも面白かった。

 物語の背景が「敗戦間近の日本で特攻を強いられる」という状況であるため、「共同体の論理がどれほど個を抑圧し圧殺するか」がわかりやすい。

「特攻の島」ほど極端でわかりやすくはないが、現代も状況自体はさほど変わらないのではと思う。

「エコーチェンバー

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