Exhibition in progress2/展覧会場が出来ていく過程
例えば絵を飾る額や版画を刷る和紙を、作家は自分では作りません。
作る人もいるけれど、その人も素材はお店に買いに行く。
ゼロの地点というのは幻想ではなかろうか。
どこからが自分の制作物かの明確な線引きは原理的に出来ない、そう私は考えています。
そこには出会いや選択があり、様々な人や物事が糸のように、作品に織り込まれていきます。それを束ねるのが作者という人の役割。
と考えると、やはり展示もその場をよく知る人のご意見を伺いたいと自然と思うし、そのセンスを信じられるオーナーと展覧会を作りたい、となります。この側面のアプローチは残念ながら百貨店の会場ではほぼ味わえない事。
折角なので、今回の個展の飾り付けの前には幾度か作品を持参し、相談させてもらいました。前回の動画はこちら。
以下の動画はそのやり取りの一部です。
自分もオーナーの柳沢さんも、はじめに思い描いている企図があったわけではなく、徐々に現場で作り上げ具体化していきました。実際のその場で感じることに沿った形で進まないと、どこかで無理が生じる気がします。
Tree In Progress は「沿う」ことがキーワード。展覧会の会場でもそれを大切にしています。
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