大豆栽培と味噌作り
今年の夏から、「大豆栽培と味噌作り」という取り組みを始めました。
今の土地を引き継いだ時に、とても広い農地がついてきました。
家族三世代が一緒に暮らしていたような時代は管理できたのかもしれませんが、私たちのような核家族だけでの暮らしでは手に負えません。
みんなで少しずつ農業をし、少しずつ農作物を収穫して、少しずつ分け合うような暮らしになればいいなとずっと思ってきました。
商売にするのではなく、身近な人たちと小さく循環する方が心地いい関係性も築ける気がします。
そんな事を思いながら、今の土地を引き継いで5年が経ちました。
色々な価値観を持つ人たちと同じ畑で一緒に農業を始めるには勇気がいりましたが、意を決して仲間を募集をしてみると、8名の方が手を挙げてくれました。
正直、こんなに集まるとは思っていませんでした。
「味噌作り」と書いてありますが、ほとんどの時間は大豆栽培なので、集まった時は農作業です。
6月に参加メンバーと顔合わせをしましたが、雨が多くてなかなか畝作りができず、種まきができたのは7月上旬でした。
その後は苗を二本立てに間引きしたり、雑草を刈り、草でマルチをしたりと大汗をかく作業をしながら、大豆はすくすくと成長していきました。
今年は雨も少なく、花が咲いた時期には池から何回か水を引いて畝間に流す作業もしました。
そして、いよいよ収穫の時期になったのですが、鞘がうまく育たなかったり、鞘ができても実が入っていなかったりで、収穫には至りませんでした。
一年目の「大豆栽培と味噌作り」は残念な結果となりました。
みんな仕事・家事などもある中で、時間をやりくりして作業してきました。
できるだけ日暮れの時間に集まっても、とんでもない暑さ。
その中で他愛もない話をしながらも地味な作業が続きます。
それでも誰も文句も言わず、味噌作りに向けて頑張りました。
「最後の最後で目的の大豆が採れないとは、なんと自然は無慈悲なんだろう」
みんなで頑張ってきた分、そんな事を思いましたが、自然界の中では当たり前の営みの中で起こった事なのかもしれません。
でも、頑張った時には必ず残るものがあります。
大豆メンバーにこの記事を読まれたら怒られそうですが、ここまで辿り着いて思うことは、本当は大豆なんてどうでも良かったのかもしれない、ということです。
もちろん、収穫の喜びも味わいたかったのですが、ずっと自分たちだけで広大な農地を管理して孤独に作業してた所から、みんなで土を触り、汗を流し、かき氷を食べて、甘いスイカを食べた、この夏の経験は何にも変えられない喜びでした。
きっと、参加したメンバーそれぞれにも、本来の目的以外の収穫があったと思います。
来年も大豆栽培と味噌作りは続ける予定ですが、中にはこの取り組みを離れるメンバーもいるかもしれません。
でも、土を通して繋がったメンバーだからこそ、別の場所でも根っこを生やしながら、繋がっていけたらいいなと思っています。
いろいろ書きましたが、やっぱり大豆の収穫したかったなぁ。来年こそはリベンジです。