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天皇の祭りの「米と粟」

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神嘉殿で行われる宮中新嘗祭、大嘗宮で行われる大嘗祭で、もっとも重要な神饌は「米と粟」の御飯(おんいい)です。なぜ「米と粟」なのか、なぜ「粟」なのか?
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2024年11月の記事一覧

新嘗祭は必ずしも「稲の祭り」ではない。宮中新嘗祭は「収穫の祭り」ではない──「新嘗を祝う集い」に参加して気になったこと(令和6年11月30日)

新嘗祭は必ずしも「稲の祭り」ではない。宮中新嘗祭は「収穫の祭り」ではない──「新嘗を祝う集い」に参加して気になったこと(令和6年11月30日)

◇1 今年で41回目

先週、「新嘗を祝う集い」が都内で開かれ、老若男女が20人余り集まった。今年はじつに41回目で、主催者によれば、茨城や千葉にも同志がいて、合わせると200人ほどが「集い」に参加しているらしい。出不精の私も、この会だけは例年、欠かさず参加している。

新嘗の日に合わせて、各自が一品ずつ食べ物を持ち寄るというのが趣向で、日本酒やお赤飯、いなり寿司などが祭壇に捧げられた。私はいつも

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宮中新嘗祭「粟の御飯」の調理法への疑問。うるち粟だけでは竹折箸でつまめない(令和4年11月6日、日曜日)

宮中新嘗祭「粟の御飯」の調理法への疑問。うるち粟だけでは竹折箸でつまめない(令和4年11月6日、日曜日)

前回、書いたように、宮中新嘗祭の粟の御飯(おんいい)を再現する実験を繰り返し試みている。

もち粟ともち米を5対1の割合で混ぜ合わせ、数時間、吸水させたのち、炊飯器のおこわモードで炊いてみた。おにぎりにすると、もうこれ以上、もち粟の比率を上げるとポロポロに崩れて、おにぎりにならない限界であることが実感された。

神嘉殿での供饌の儀で、天皇は竹折箸を用い、御飯を供饌され、直会されるのだから、この調理

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