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詩「2020」

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もう2022ですが/だから 「2020」というタイトルで詩の連作をしています 2021から書いています
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書かないよ

時すでにお寿司
なんて書きはしない
なにかを書くと
無差別の雷鳴がやってきて
方向を失う

時すでに行分け詩
なんて書きはしない
人生は南氷洋
1870年以降 氷漬けになっていた
ランボーの酔いどれ船が
温暖化で
また動きだす

人種なんて
ありもしないものが
幽霊船になって
あなたの最寄りの
公民館や緑地まで
だって水位は
耳の下まできて
ハマチとカンパチを
差別していく
だから書かないよ
時す

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2020

2020

2021になっても
街角の旗には2020
TOKYOが
いたるところで凍てついていて
FREEZE!
うごくなということばは
温暖化でなくなったの
しってる?
あの子もしななかった
デザート!なんていわれて
スイーツとまちがえて
2020のまま
時はとまって
もう動きだすことはなくて
ベンガル虎がベンガル
だけだとおもうなよ なんて
捨て台詞で廃びた
ディスタンスってのは
なんだ 空間じゃなくて

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プラッチック・ラブ

プラッチック・ラブ

関西では
プラスチックのことを
プラッチックっていうみたいに
竹内まりやのプラスチック・ラブを
世界ではシティ・ポップといって
けたたましい音をたてて
夕陽がうみに叩きつけられ
たた
きつけられたた
けたた
ましいおとをたててたま
しいおとをけたた
ましい
音は帰っていく
世界の底へ
ひともついていこう
ガンジャを吸いながら
中目黒のドンキでなく
スターバックスの風車が
巨大な帆を
再生エネルギー

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