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【#142_実践メモ】 会長・社長で経営のスタンス・大事にしている価値観が近いからこそのスムーズな承継~豆腐業界トップ 相模屋食料 江原会長・鳥越社長のケース

前回は、豆腐業界トップ 相模屋食料 鳥越社長のファミリービジネス経営のポイントについて、小野田鶴(2019) 『星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書』の、インタビュー記事(前半)から整理しました。

本インタビュー記事の後半では、鳥越氏に社長を譲られた江原会長(鳥越氏の奥様の父)も加わってのインタビューとなっています。面白い建付けですね!

ファミリービジネスにおいて、特に会長が創業者の場合、なかなか経営への想いを手放すことができず、会長と社長がいい関係性を築けないというのは、よくある話です。

先行研究の中では、創業者に次いで、娘婿が承継する場合に、経営のパフォーマンスが良好という示唆が出されていますが、そのロールモデルの事例としても捉えられる記事でした。

江原氏の”会長”としての立ち振る舞いにフォーカスした時、重要なポイントを3点、ピックアップしてみました!

インタビュー記事を読んでいると、江原会長と鳥越社長の経営のスタンス・大事にされている価値観が、深いところでよく似ているように感じます。現場(技術)を大事にする姿勢や、積極的なリスクテイク、その後の成功/失敗の捉え方等々。

何かの経営的な課題に対する一つひとつの意思決定というより、その前提となっている”価値観”の部分で親和性が高いからこそ、江原会長は、鳥越社長に任せられたのではないかと思います。

江原会長も、積極的なチャレンジや、本気の失敗に対する寛容さが、鳥越社長ののびのびとした経営を支えたり、おそらく組織文化としてそれらが残り、社員のみなさんも新しいことにチャレンジしやすい環境がうまれているのではないかと。本論からはずれますが、相模屋食料さんの商品企画・開発力は本当にすごいと思うのですが、江原会長・鳥越社長が醸成してきた、組織文化の影響も背景にあるのではと思いました!

先代経営者が経営に取り組む上で大事にしている価値観と、後継者が大事にしている価値観。共通の部分、異なる部分はどこか、スムーズな承継のために、先代経営者の価値観から”引き継ぎたい” ”引き継ぎげる” 部分はどんなところか? について考えてみることも大事かもしれません。 後継者が自身の大切にしている価値観を全面的に主張することも、一つのアプローチですが、間違いなく先代経営者からの口出しは多くなると思います。自分も、先代も大事にする経営のかじ取りとはどこらへんなのか? 両極ではなく、納得感のある着地点を模索することが重要です。

江原会長の言葉が染みます。

「よそを見ていると、やはり先代が口を出す会社はダメになっていくんです。後継ぎと喧嘩して、それを悔やみながら亡くなった友だちもいましたから」(p. 174)

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