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【#132_研究・実践メモ】ファミリービジネス・コンサルタントが果たす役割とは何か?~Hilburt-Davis & Dyer (2002) Counsulting to Family Business [第1章] からの学び

Jane Hilburt-Davis & W. Gibb Dyer, Jr.(2002) Counsulting to Family Business: A practical Guide to Contracting , Assessment, and Implementationの第1章から、キーポイントの紹介です。

本書/ 著者の特徴については、初回のnoteにメモしてあります!

序章は、「なぜファミリービジネス(FB)のコンサルティングなのか?」というタイトルで、FBの特徴や、外部支援を行う際に、意識しておいた方がよいポイントについて、整理してあります。

個人的に、特に重要なメッセージだなと思ったポイントをあげると・・・・



本章を読んでいる中で、分かりすい例かは?ですが、M&Aのプロセスにおける、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)という役割を思い出しました。クライアント企業の利益を最大化するために、M&Aのプロセス全体を取り仕切る役割です。

M&Aのプロセスには、様々な主体が関与します。ディールが始まると、財務や会計、法務、ビジネス、企業価値算定、時には環境への影響等々、それぞれの領域で専門家が実施するデューデリジェンス(買収監査)を行う必要があります。

その全体のプロセスを管理するともに、各専門家の発見事項を統合し、クライアント企業の最終的な買収の判断をサポートします。M&Aでは、担当領域が分かれていますが、発見事項についてはそれぞれの専門家で共有され、買収監査の精度を高めていくこともあります。FAが各専門家からの情報を把握しなかったり、各専門家に必要な情報の共有ができていなかったとしたら、買収対象となっている企業の全体感が捉えにくくなってしまいます。

同様の事が、FBの経営や事業承継のプロセスにおいても発生するよなと思いました。FBに関わる際には、各専門家が、それぞれが担当するシステム間の有機的なつながりを意識した上で、必要な施策を検討する。時には、FBの専門家として、各システムの調整を図るための支援者を配置する(M&AにおけるFA的なポジション)ということも有効だと思います。

組織開発コンサルタントは、もともと、組織の複雑性を重視し、各ステークホルダーの想いや感情にも敏感に向き合う必要があります。なので、FBの様に、複雑性が高く、各サークル内の状況についても把握しつつ、全体性への配慮が必要な、FBのコンサルタントの役割を担うのに必要なスキルやマインドを持っているのかもしれません。「経営の領域のみでしか支援をしないのであれば、FBコンサルタントとして機能していない」(p.11)という記述は、外部支援者として関わる上で、常に頭の片隅に置いておく必要を感じます。

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