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セゾンテクノロジーの公正な女性登用に向けた取り組み

こんにちは。セゾンテクノロジーDE&I(ダイバーシティエクイティアンドインクルージョン)推進担当です。

私たちは、さまざまな属性や個性を持つひとりひとりが公正に評価され、いきいきと働ける会社を目指しています。特に本年度は、社会の一員として、テクノロジーの健全な発展のため、そして一緒に働く同僚のためにも「2030年女性管理職比率30%」を重点課題のひとつとしています。


当社の状況

2024年3月末時点で、当社の女性社員比率は26.8%、女性管理職比率は11.9%。胸を張れる状況ではありませんが、業界一般と比較すると高めではあるようです。

それというのも、2024年の日本のジェンダーギャップは調査対象の世界146か国中118位で、基礎的な「健康」「教育」の高スコアを政治・経済が相殺する形で先進国最低水準が続いています。特に「経済」は120位、中でも「管理的職業従事者の男女比」は130位

1985年5月に男女雇用機会均等法が成立してから約40年。近年では女性活躍推進法でも行動計画策定や男女間賃金格差公表などの義務化が進んでいますが、「2030年女性管理職比率30%」に向けては、広い視野のもと思い切った取り組みが必要です。

IT業界ならではの課題

STEM分野という言葉をご存じでしょうか? “Science, Technology, Engineering and Mathematics"、すなわち、科学・技術・工学・数学の教育分野の総称です。

経済協力開発機構(OECD)によると、世界的にもSTEM分野を学ぶ女性の比率は3割を超える程度。2021年の調査では日本は加盟国中で最低の割合だったことが明らかになっています。

それを裏付けるかのように、内閣府男女共同参画局が2022年に決定した「女性デジタル人材育成プラン」によると、日本の労働力人口の45%が女性であるのに対し、IT技術者に占める女性の割合はわずか19%

一方、生成AIが現在の社会の持つジェンダーギャップやバイアスを学習し増長させるリスクが指摘されています。技術とジェンダーに着目するWomen in Techの創設者Ayumi Moore Aoki氏は、まずは女性の参加レベルの向上が重要だと述べているそうです。さらに、IT分野が経済的に重要になるに従い、技術分野での男女格差が拡大したとも。

やはり、自社だけでなく、より良い未来の社会のためにもアクションの強化が必要そうですね。

セゾンテクノロジーの取り組み

セゾンテクノロジーでは、サステナビリティ経営の加速に向けて、各事業部からメンバーを募った委員会を2023年度から設置しました。本年度のサステナビリティ推進委員会でも「2030年度女性管理職比率30%」を重点KGI/KPIとして注視。現状のデータや分析をもとに人事部門と議論をしたり、社内外の勉強会に参加したりしています。

そのひとつが、今年の4月に加盟した日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト(通称:日経WEP)です。さまざまな業種や企業規模、状況の会社が参加しており、勉強会も定期的に開催されることから、自社だけでは得られなかった視点や知識を得られています。

4月のキックオフミーティングには、サステナビリティ経営を推進する部門と人事から3名が参加しました。

5月の女性登用事例勉強会では、社長、役員の約8割のほか、役員からの紹介で参加した部長や「ぜひ参加したい」と自主的に手を挙げたサステナビリティ推進委員会メンバーで、当社の参加枠がすべて埋まりました

役割と性別は関係ない

スタンフォード大学で教鞭を取るTina Seelig氏の著書にはこんな一節があります。

わたしたちはみな、どんな役割を期待されているのか、明に暗に周りからメッセージを受け取っています。数年前、機械工学の女性教授から、とても面白い話を聞きました。彼女には学生時代からの女友達が何人かいます。専門は違いますが、みな工学部出身です。友達はよく自宅に遊びに来て、夕食をとりながらおしゃべりに興じていました。その場には、彼女の幼い息子がいて、会話を聞いていたそうです。この息子が成長するにつれ、数学と理科が得意であることがわかりました。それを見て「君は工学を学ぶといいね」と言った人がいました。息子はそれに何と答えたか? 「絶対いやだ。工学なんて女のするもんだ」と言ったそうです。似たような話は、医師である女友達からも聞きました。幼い息子は、医学についての議論を「ガール・トーク」と言ったそうです。

『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』

まだまだ道半ばではありますが、今の取り組みを通じて「性別と役割は関係ないよ」というメッセージを会社全体に浸透させていきたいと思います。