本州最西端毘沙ノ鼻にアサギマダラの休憩ポイントを作ろう!
海を渡り、旅をする蝶【アサギマダラ】
アサギマダラが好むフジバカマの畑を作ったら、飛来するかのか?
そんな疑問から始まったおはなしです。
2020.4.4 フジバカマ花壇つくり
毘沙ノ鼻がある吉母(よしも)御崎(みさき)地区には、アサギマダラが好むスナビキソウや、フジバカマが自生し、長旅の休憩ポイントになっています。
展望公園内にフジバカマを植栽して、アサギマダラの休憩ポイントにする計画に、自治会の皆さん、吉母小PTAの皆さん、子ども達が参加し、花壇が完成しました。
根付くまでの水遣りや、初夏の雑草処理など、多くの皆さんにご協力いただきました。
2020.10.6 毘沙ノ鼻初飛来!
9月下旬から、周辺ではちらほらと飛来情報がありまして・・・
ついに毘沙ノ鼻にもアサギマダラがやってきました!
長州アサギマダラの会 Fさん ご指導のもと、
吉母小全校児童でアサギマダラのマーキング体験授業を行いました。
「頑張ってね~!」と送り出したアサギマダラ。
南下して九州や沖縄、台湾まで渡る蝶はいるでしょうか?
2020.10.31 毘沙ノ鼻に旅した蝶のストーリー
たくさんの標識蝶が毘沙ノ鼻に飛来しました。
Story1
吉母小PTAの方が撮影。
栃木県日光市でマーキングされた蝶と判明。
西南西へ831kmの移動
移動日数86日
Story2
吉母小PTA親子で撮影。
新潟県妙高市から飛来。
兵庫県明石市で当時小学生のお子さんと一緒にマーキング会に参加したのがきっかけで、毎年親子でマーキングを楽しんでいるそうです。
新潟県妙高高原から山口県毘沙ノ鼻まで旅した蝶が、遠く離れた同じ体験をした親子を結びました。
東南東へ723kmの移動
移動日数76日
Story3
石川県白山市 尾口公民館
新型コロナウイルスの影響で公民館事業がなかなかできない中、9/22に尾口公民館の敷地内でマーキング会を行ったそうです。
その時に館長さんがマーキングした1頭が、毘沙ノ鼻に飛来しました。
2020.10.28 調査の苦労話を聞きました
アサギマダラ が渡りをする蝶であると判明したのは、全国の愛好家の皆さんのおかげです。
毎年、何百・何千頭の蝶にマーキングし、何日かかって何キロ移動した、というデータの蓄積に基づくものです。
一期一会の奇跡です。
この2週間、毘沙ノ鼻で確認できた標識蝶は、新潟県妙高高原 、長野県小諸市 、石川県白山市 、広島県三次市 、滋賀県大津市、山口県内では山陽小野田市竜王山 、周防大島・・・
この情報だけでも、各地で多くの方がアサギマダラ に関わっているのを垣間見る事ができますね。
10年以上に渡る調査の中で、効率的にデータが取れないかと、人工孵化してマーキングした蝶を飛び立たせようとしたそうです。
しかし、その場で落ちてしまい飛ばない蝶が多数・・・
思い通りにはいかなかったそうです。
再捕獲(マーキングされた蝶を確認)される蝶は自然の中で生まれ、過酷な旅に耐える事ができる強い蝶なのですね。
「かわいい子には旅をさせろ」ですね。
マーキングする際は、周囲の方に説明したり、土地所有者の了承を得たり、マナーを心がけて『調査中』の腕章をして作業にあたります。
しかし『網を振って、捕獲して放蝶』(調査)という行為は、知らない人から見ると、
・何してるの?(疑)
・蝶がかわいそう(泣)(哀)
・逃げていってしまうじゃないか(怒)
というトラブルもあるといいます。
写真を撮る人にとっては、『ベストショットを狙って忍耐強く待っている状況』だったり、
鑑賞したい人にとっては、『その美しい姿を見たくて、遠くから足を運んできたのに』という思いがあります。
調査の実態を知っていれば許容できることも、知らないと嫌悪感さえ生まれてしまうこともありますね。
この記事中のマーキング会の時に、子供たちから「鬼滅の刃」のことを教えてもらってから、Fさん(72歳)鬼滅の刃にはまったそうです!
アサギマダラの特徴は、栗花落カナヲ
オオカバマダラの特徴は、胡蝶しのぶ
と、満面の笑顔で予想されてました!(笑)
例えば、鉄道愛好家の場合、「撮り鉄 」「乗り鉄 」「呑み鉄」など、
『好みは色々なタイプがあるよね』と認知されています。
鉄道ファンの人数は桁違いです。
鬼滅の刃ファンも桁違いです。
アサギマダラ愛好家の活動、アサギマダラ について、多くの人に知っていただき、
『アサギマダラ の楽しみ方には色々なタイプがあるよね』
と、認め合う人が増えてほしいという願いを込めてお伝えしました。
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