「生物/生命とは何か?」をテーマにした入門的な本の紹介
生物とは何か, つまり生物の定義って何でしょうか?生物と生命の違いって何でしょうか?
そうした疑問に答えてくれそうな本の中で私が読んだことがある本をいくつか簡単に紹介します。
ゆかいな生物学―ファーンズワース教授の講義ノート
後半の内容は他の本の方が良いと思いますが, 最初の章だけでも必見です。「バイクは生物である」という主張を反証していく過程でさまざまな新しい問いが生まれたり, 生物とは何かを試行錯誤して面白おかしく探っていったりする感じが良いです。
生物と無生物のあいだ
動的平衡の概念(「テセウスの船」), 「内部の内部は外部である」など哲学的にも面白い話が多いです。また, あまり生物学に馴染みがなくても比較的読みやすいです。
生命とは何か: 物理的にみた生細胞 (岩波文庫)
物理学者として有名なシュレーディンガーによる「生命とは何か」。私は大学入学時に生物学をやるか、化学をやるかで悩みましたが、生命の根幹は物理学や化学であるということをこの本で強く感じました。
kotoba 2014年夏号(「生命とは何だろう?」)
上で紹介した本の著者福岡伸一をはじめ, 池上高志(「動きが生命をつくる」), 養老孟司, 金子邦彦(シュレーディンガーによる本に影響を受けて「生命とは何か―複雑系生命科学へ」という本を出しています), 小松美彦(駒場の教養学部時代に授業をとっており脳死についてやあしたのジョーについての話が印象的でした)等の錚々たるメンツが記事を書いています(敬称略)。
希望の分子生物学: 私たちの「生命観」を書き換える
最近読んだ本です。説明の仕方が上手というか、面白いなと思いました。私自身はある時期「生物学は地味な実験をひたすらやっている」イメージになってしまい、あまり「希望」を感じていなかったのですが、こういうのは「希望」かなと思います。
システム生物学入門(Uri Alon の本, 畠山・姫岡らの本)
正直な話、私がまだ理解しきれていないけれども頑張って理解していきたい本です。これらの本を読んであまり理解していないうちは「これは生物について話しているのか?」という気持ちになることがしばしばありますが、こういうのを勉強することで最初に思っていた考え方「生物学は個別事象ばかり扱う」は違うなと感じるようになります。
卒論でもシステム生物学の考え方は重要だと思ってわざわざ(無理やり?)最初に載せています。
番外編:仲田崇志さんによる「生物の起源」(Web)
タイトル通り, 生物の起源について書かれているが最初に定義についてまとめている。私はこのwebのストーリー(構成)が好きです。こんなふうな流れで授業したい!と思ったことはありますが、なかなかマニアックなんだろうなという感じです。
※余談: 最近は読みっぱなしになっている(インプット)ものもしっかり表現(アウトプット)したいと思って今度からなるべく本の感想文を書くようにしたいなとは思います。元々はあまり読書感想文の類は得意ではないですが, 最近は苦手だからと言って開き直らず、読書感想文の書き方(フォーマット)等にも触れ, 活かせるものは活かしていくようにしています。
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