ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#93
佐佐木 政治
ぼくらが生まれる以前を
すでにあなたは耕していた
あの無の耕地の中で 二筋の血の流れが 交わるなんて
ぼくらのあの稀有の予感が 未来から呼びもどされるなんて
ぼくらがあの天文学的数字の中から選ばれて落ちた 一つの星だったなんて
こうして 舞台に引き戻されたものたちだけが
かけがえのない衣をきせられ
存在の罠におののいている
おゝ なにも卑下することのない 真昼の荒野よ
すべては 他者たちの間で あなたの手に触れるための背伸びだ
やがて 夕暮れはやってくるだろう
舞台の上に血の幕を垂らしながら
朝とひきかえの あのカオスの霧が
神経の枝を麻痺させながら
>>>>>>>いつもフォトギャラリーから素敵な写真を使用させていただいています。感謝してます。ありがとうございます。<<<<<<
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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。