下宿
佐佐木政治 1956年10月 ノート「詩集 青い枯れ葉」より
だれも待っていない下宿へかえって電灯をつけると
ひとりで夕食をすませる。
遠い高台の駅を出る汽車の汽笛が 旅の空になりひびく。
かごに入ったアメ玉が少なくなると 母の顔が浮かぶ。
アメ玉がなくなるたびに 母の顔が消えて行くようだ。
昭和31年、当時25歳の文学青年だった父が書いた詩です。
A5サイズの大学ノートはすっかり色褪せ、日に焼けています。
彼の文字とともに紹介していきます。
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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。