ミュトスの雨<神へ捧げるソネット>#88
佐佐木 政治
神よ!
あなたは喋りたがらない
いや ひょっとして
あなたは語りかけているのかもしれない
たえず
雨のように
時間のシャワーのように
風の音となって
河の流れる音となって
或いは又
超音波となって
われわれの小さな耳の外で
あなたはささやくのかもしれない
或いは又
他者によって
不在のものによって
われわれ自身の中の
見えないエコーとなって
予感によって
あなたの声の中を
歩いているのかもしれない
まず あなたは 朝焼けの雲となってやってくる
歴史の一頁はいつも
われわれにとっては封切りの庭だから
おごそかな闇の中から 五彩の瑞雲がたなびく
われわれは 二度と同じ朝を迎えない
>>>>>>>いつもフォトギャラリーから素敵な写真を使用させていただいています。感謝してます。ありがとうございます。<<<<<<
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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。