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ナイトライドラッシュアワー

5
アクマとおんなのこたちの おとぎばなし
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#小説

ナイトライドラッシュアワー 5

その時、ひゅん、とかすかな風切り音が彗華の耳に届いた。

ふわり、とロングヘアが宙を舞い、スカートの裾が大輪花の様に開く。

彼女がその場でバク宙をすると同時に、コンクリートへ深々と突き刺さる光の矢。

「誰かしら?」

刺々しく、矢が放たれた方向をにらみつける。勿論光球は彼女の腕にしっかりと抱かれたままだ。

「この違反者め!」

語気荒く表れたのは、一人の少女だった。

ネオンを受け群青に輝く

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ナイトライドラッシュアワー 2

 気づいた人は、夜空から猫が降ってきた、と思っただろう。

 元「星峰彗華」、現在ロシアンブルーの猫はまるで重力がないかのように、ふわりと音もなくコンクリートへ着地した。

 見下ろしていた光が、小さくなったこの身を塗りつぶさんばかりに迫ってくるようだ。知らず知らずのうちに、尻尾が左右へふわり、ふわりと揺れる。

 おもわず鼻歌が漏れる、が、今の姿だと、只猫がふにゃふにゃご機嫌そうに鳴いているよう

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ナイトライドラッシュアワー 1

星峰彗華、それが私の名前。けれど私は星よりネオンを愛した。

「すいか」

舌っ足らずな声。ついと頭上を見ると、小さい、虹色の光。

「イリーゾ」

 くるくる、と色を変えながら頭上の光、イリーゾは目の前に降りてきた。

「あそぼ」

「ちょっと待って。もう少しだけ、この景色を見せて」

 ビルの安っぽい手すりに持たれる、私の眼前に広がるのは、

 赤青黄色緑白紫ショッキングピンクウルトラマリンブ

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