【読書感想】脳の闇
看護学で興味深いのは、『脳科学と心理学領域』だと答えるだろう。
この2つの違いは一つの出来事が起きたときに「脳」か「心」で捉えるのか、ということだと思う。今回は脳科学に精通している中野信子さんの新刊である『脳の闇』について書きたい。
「リスクを取れ」「他人と違うことをしろ」と煽り文句が次から次と出てくる。人と合わせて生きることを軽蔑するような傾向すらある。確かに迷わない人に憧れてしまう気持ちも分からなくもない。だけど私はやっぱり悩んだりする人が人間らしくて好き。中野信子さんも“本当は悩むことのほうがずっと高度で、美しい機能なのに”と言っている。
最近youtubeの悩み相談の動画、占いが流行り、キャリア相談を行うコーチング風なもの(もちろんクライアントが主体のちゃんとしたコーチングもある)が人気になっている。また就活では選ばれる側ではなく、選ぶ側と言われることが増え、悩む人が増えたように感じる。
自由であることがむしろ、自分で考えて選択することに繋がり、それを負担や面倒に感じる人が多くいるだろう。そして誰かに決めてほしいと願う。その気持ちもめちゃくちゃ分かる。自由が欲しいと言うけれども、本当は自由を避けたいという矛盾を抱えている。
ポジティブで楽観的であることが良いとされる世の中でそのような言葉が毎日心に入ってくるわけではない。ときにはポジティブすぎる言葉が苦しめることもある。
もちろん物事には良いことも悪いこともあって、バランスがどちらに傾いているか、という問題であるとは思うけども、とことん落ちるところまで落ちてみるというのも手だと思う。
私の場合はなんでも自分が納得するまで自分の感情に付き添う。だから苦しい。だけども、そうやって悩んだり、苦しかったりしたからこそ、見えてくる景色があるということと、そしてその感情の幅が人としての深みが出るのではないかと思う。
うつに関してもこのように書いている。
私は人より悩む。だけども考えることで毎回解決策を探し、立ち直る回数も人より多い。そのためどこかで自分は落ち込んで挫折しても、必ず立ち直られるだろうという自己効力感がある気がする。そしてある意味その自己効力感のおかげで今では最終的にはなんとかなるでしょっていう楽観的思考まで身につけられるようになった。
だから人生の中で起きる小さいことから大きい悩みに、苦しいけども向き合うということは自分を知るきっかけでもあり、あるいみ自分が次のステップにいけるための材料でもあり、最終的には楽観的になれる方法の一つなのかもしれないと思う。
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