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ランニングをする上で知っておきたいスポーツ障害と足部・足関節の機能
ランニングでは、身体を支える方の足に体重の約3倍の反力が加わると言われています。
これを反復して行うため、動作上の問題があると局所にストレスが集中し、スポーツ障害へと繋がります。
その中でもよく起こりやすいのが、knee in,toe out です。
knee in,toe out とは
文字通り 膝が内に入り、つま先が外に向く現象です。
これにより、アキレス腱障害やシンスプリント、半月板損傷 など様々なスポーツ障害へ発展していきます。
では、なぜ knee in,toe out が起こるのか、少し専門的な話になります。
①足部アーチの低下
mid-supportでは衝撃吸収のために距骨下関節回内し、内側縦アーチを潰すような圧が加わる。
この時期は、トラス・ウインドラス機構によりアーチが保持される。
(A:トラス機構 B:ウィンドラス機構)
このトラス・ウインドラス機構が破綻すると、内側縦アーチが低下、距骨下関節が過度に回内しknee in,toe outを強める。
②前外側方向の不安定性
foot-strike,take-offでは、距骨下関節を回外し、足部の剛性を高める。
内反捻挫などで前外側方向への不安定性が生じると、安定させるために距骨下関節を回内、足部を外転し、knee in,toe outを助長する形となる。
加えて、足部の剛性を高めることができず、推進力が低下する。
③距腿関節背屈可動域の制限
距腿関節の背屈制限は、代償として距腿下関節の回内、内側縦アーチの低下を来たし、knee in,toe outの肢位となる。
ランニングでは30度の角度が必要であると言われている。
これらの原因は、それぞれ治療方法がまったく異なります。
評価、治療方法に関しては別の記事で書いていきます。