ベトナム政府の統率力。
■ベトナムの気候変動対策。
・最近のニュース、「ベトナムの気候変動対策怠れば30年100万人が極度の貧困、50年にGDPの14.5%失う」。
・先日開かれた気候変動をテーマとするセミナーで計画投資省企業開発局のチン・ティ・フオン副局長は「ベトナムは世界で気候変動に最も脆弱な国の一つである」と危機感を露わにした。
■ロードマップ実行には57兆円が必要。
・同局長は「2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指すロードマップを実行するためには、今後2040年までGDPの6.8%相当57兆円の投資が必要」と続ける。
・また「国の予算に加えて国内民間セクターと国際金融機関の積極的な投資が不可欠であり、気候変動対策への参加を奨励し便宜を図ることが重要」と強調。
・ベトナム国家銀行(中央銀行)は「国家銀行はグリーン金融プログラムとグリーン成長に向けた環境保護および二酸化炭素排出量の削減目標に沿った融資枠に関心があり、各金融機関に対し、グリーン資金の調達とグリーン開発を重視した融資を奨励する」と述べた。
■国のルールを守り抜く国民。
・余談、現在街中では電動バイクやEVを徐々に見かけるようになったものの、まだまだ圧倒的にガソリンを必要とするバイクや車が多く主要道路を埋め尽くす状況下、果たして「2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す」事が出来るのだろうかと疑問に思う。
・しかしベトナムは社会主義共和国、国が一度決めたルールで走り出せば、国民は国の方針にしっかりと向き合い従う傾向が強い。例えばコロナ禍、政府はベトナム全土『外出禁止令』を発令した瞬間、外はバイクも車もその姿を消して、人っ子一人歩いておらず街の喧騒を一瞬にして静まり返らせたのだ。
・ベトナム政府の統率力、それに従う国民の意識に改めてベトナムが社会主義国家という事を思い知らされた。既得権益を死守する輩が跋扈する、57兆円の使途不明等ボタンの掛け違えが起こらなければ、上述の目標は十分に実現可能なのかもしれない。